定例の家族会役員会が行われた。名東福祉会では1981年のメイトウ・ワークスの開設以来、利用者の家族会の役員と理事長が直接話し合う場を毎月1回設けている。今日の役員会の席上で、私は理事長として次の事を申し上げた。
第一番目は障害者自立支援法による、利用者の区分判定の結果が明らかになりつつあり、判定区分1~区分6まで非常に幅広い分布をしていることがわかったこと。
これまでは名東福祉会といえば障害が重い人や自閉症の人が利用している法人というイメージがあったが、今回の判定結果では判定上は普通の施設になったということだ。措置の時代では名東福祉会は重度加算(障害が重い人のために特別に加算される支援費)が多い法人であったために、障害者自立支援法で相対的に打撃を受けることは否めない。
第二は、ケアホームの設置を速やかに行わなければならないことが明らかになってきていること。
先日も、当方人の利用者のお父様がご病気で亡くなられたばかり。今後、親の高齢化の進展と共に、夜間ケアの必要性は高まることが予想される。また、判定によっては入所施設の利用ができない人が出るという問題が生じる。現時点でレジデンス日進を利用している区分1・2の人たちのためにケアホームを設置することは必須となる。
名東福祉会の利用者は現在150名前後。ナイトケアの対象者はレジデンス日進、グループホームを合わせて現在50名前後だが、利用者全体の50%を越える75名以上が利用できるようにしていきたい。さらに10年後には親の年齢の推移から全体の75%程度まで高めていく必要があるように思う。
場所については検討を要する。レジデンス日進と同一の敷地に建設することはバックアップの問題から安全で安心感があり、効率がよい。一方、名古屋市はニーズが高く、就労支援や地域生活支援センターとの連携を考えると質の高いサービスを展開できるが経営効率やコストの面で不利だ。十分に検討を行いよいものを開発して行きたい。
第三は障害が重い人のためのケアについて、技術や支援内容を量的にも質的に充実したものにしていきたいこと。
ただ、厳しい判定結果となっているため、良質なケアを提供するためには運営上の工夫も必要だ。具体的には直接処遇にボランティアの協力や参加を促して行くことが必要となる。ボランティアとはいえ無償でというわけではない。有償のボランティアとして戦力となっていただき、施設のケアの向上のために力を注いでいただきたい。
区分判定の如何にかかわらず、現実には名東福祉会の利用者は重度の知的障害が多い。このホームページでも書かせていただいたが、問題行動を少なくし、望ましい行動を増やしていくためには問題行動を起こしにくい環境設定が必要となる。
例えば自己刺激的な行動を行うような人に対し、腕上げやマッサージを行うだけでも様々な変化を期待できる。座位をとれない人に対して、本人に合わせた器具を製作し座位をとったり、背筋を伸ばしたり、からだをストレッチすることは必要であろう。歩行ができない人に対して一定時間、歩行のサポートをするだけでもQOLは高まることが期待できる。こうした支援は職員でなければできないわけではない。このタイプのプログラムは重症心身障害施設ではあたりまえだったが、知的障害者の通所授産施設ではこれまではあまり行われてきていない。
重症心身障害者のニーズのアセスメントを行い、しっかりとしたケアプランを立て、提供するサポート内容を明確に定義すれば、ボランティアにも直接処遇に参加してもらうことができる。もちろん義務ではないが、家族会の人にもこの人たちのケアにご参加願えないだろうか。従来から家族会には掃除やバザーなどでたいへんご協力いただいているわけだが、法人経営のあり方が激変した今、より効果的なご協力のあり方を模索していく次期にさしかかっていると思う。
今日のミーティングでも後半はみんなでわいわいがやがやとなったが、わが法人の家族会は実に熱意にあふれ、知的であり、批判すべきときは舌鋒鋭く、相手が理事長でも会長でもずばずばと批判を行うすばらしい家族会である。これが名東福祉会をここまで支えてきた原動力なのだと改めて確認できた一日であった。
手をつなぐ育成会の東海北陸大会に出席させていただいたので、一言なりともこの地の育成会の会員さんにも報告して時の動きを知っていただきたいと思い、日進市の手をつなぐ育成会の定例会に出席させていただきました。当日は15名の出席で、会長の報告や私の報告の後、それぞれが思っていることを発言しました。
日進市の育成会の会員のお子さんたちは大方の方が通所施設を利用している方で、ごく一部の方が一般の企業に就労している方です。話は今回の区分判定の話になりました。大部分の人が判定が軽すぎるということで今後の対応方法がどうなるのか、質問というよりも不安な気持ちを訴えておられました。
会員のみなさんのお子さんに自閉や知的障害があることは間違いありません。これまでも医師や相談所にそのように診断されてきました。学校も特別支援教育を受け、社会福祉のサービスも受けてきました。それが、一夜明けたら障害者ではないといわれたのです。本人が変わったわけではありません。不安な気持ちになるのは当然です。
障害があるこどもの子育てを懸命に行い、卒業した後まで学校の先生に応援を受け、作業所の職員やご近所様や働いている就労先の雇用主さんの理解と協力でなんとか今をつないでいるのです。その支援の輪があってはじめて「障害が軽減されている」のです。ハンディがなくなったわけではありません。
がんばってきた人が区分判定から一夜明けて障害者でなくなり、様々なサービス利用に制限が設けられてしまう。逆に、こどもをほったらかしにし、問題を助長するような対応を重ね、ますます孤立と問題を深めるような育て方をするとたくさんのサービスが受けられる。そんな理不尽なことがあっていいのでしょうか。
国は判定が不服な場合には不服申し立てをしてくださいといいます。でも、窓口に「なんとかなりませんか」と不服を述べても、頑として受け付けない姿勢だといいます。日進市の育成会ではすべての会員から同じような発言があるので、早急にまとめて市へ申し入れようということになりました。
手をつなぐ育成会東海北陸大会が10月8日(日)、9日(月)に掛川市つま恋に於いて行われました。1500名ほどの人々が集まり大会を盛り上げました。大会のスローガンは「誰もが共に生き、育ちあい、支えあう地域づくり」です。
障害者自立支援法がこの10月1日から施行され、利用者負担の問題、障害者区分認定の問題が利用者側に十分理解されないまま進められているところなので、参加者の皆さんは一言も聞き漏らさないぞという真剣なまなざしでどの分科会場も熱気にあふれていました。
私は第5分科会「地域生活支援のあり方とセイフティーネットを考える」に参加しました。内容としては小松市育成会が法人化して新たに居宅支援事業を立ち上げたこと。通所支援や居宅支援事業をすすめるなかで、ヘルパー派遣で自宅で一人暮らしが可能になった52歳の男性の実例が紹介されました。その事例から自立支援法下での問題点や課題が浮き彫りにされました。
提言を聞いていて切実に思ったことは、どうしたら地域で生活を継続できるかということ。親や兄弟だけのがんばりでは限界があるので、地域での「支え」をつくらなければならない。それぞれの市町村で福祉のネットワークをつくる「市町村の福祉計画」こそ重要だと思いました。親はどうしても親亡き後のことを心配し、心を残しながら死んでいくものなのですが、わが子のことだけではなく少しでも地域の人々の支えの輪を広げていくように努める必要があると思います。今回の大会に参加できたことを心から感謝し、老いの身ながらがんばろうと思いました。
またひとりメイトウ福祉会のお父さんが亡くなりました。
大変な自閉症のお子さんをずっと看てこられてどんなにか心残りであったろうと、お察し申し上げ、ただただご冥福を祈るのみです。お子さんはレジデンス日進でショートステイ中ですから、職員がお通夜に連れて行くものと思います。
お父さん、お母さんがお子さんより早く亡くなるのは当然ですが、いつも「我が子を見送ってからあの世に行きたい」という親の気持ちとは裏腹に、年の順で逝くのが常です。
だからこそ、私たち親はせめて親亡き後、そんなに手数のかからないように、ひとりで衣服の着脱くらいは自分でやれるように、大小便はひとりでやれるように、最低の身じまいができるように等々、なんとか教えたいと気遣うのですが、むなしい願いとなることもあります。
ですが・・・親さんたち!! この先、暗いことばかり想像していてはいけません。明るいことを考え、希望を持ちましょう。1000分の1、万分の1でも明るいことを念願していると、神様はきっと願いをかなえてくれますよ。
心配していた雨も止んですっきりとした秋晴れの日、私は久しぶりにメイトウワークスの家族会に誘われて半田市の酒倉と酢の里の見学会に同行させていただきました。
始めは「エッ?福祉と関係ない」・・・と思いましたが、お母さんたちとご一緒できることがいいことだと割り切って出かけました。多少あなどりぎみだった酒倉も酢の里も結構見ごたえがありましたし、半田市の町並みも昔を忍ばせて立派な屋敷があちこちに残っていました。時間の関係上、新美南吉の生家ごんぎつねの里には寄れませんでしたが、その近くの「まんじゅさげ百万本」は見ごたえがありました。
日本の昔の文化に触れ、どうして今日の日本があるのか、途中、戦争があって日本はどうなったかということが思い出されました。
帰りのバスの中では、メイトウワークスを立ち上げたころの事を思い出しました。数名のお母さんたちとともに、かやふきんづくりに一生懸命になったこと、小さな陶芸釜でウサギやネコやライオンのはしおきを作ったことなどが思い出されました。ささやかでしたが、どんなに障害が重くても楽しく通って働ける場をつくるという共通の目標があり、ほんとうに楽しい日々でした。今から28年ほど前のことです。
温故知新ではないけれど、とても有意義な時間を過ごすことができ、メイトウワークス家族会に誘っていただいたことを感謝いたしました。
10月1日はとうとう雨になってしまい、みんなの待ちわびたコロニー祭は残念ながら途中で中止状態でした。
何か催し物をする時は、お天気のことが気になります。晴れのときはスケジュールの進行、雨の時は会場の変更やお客様へのご案内と担当のスタッフは気をもむものです。当日は雨がパラつく中をパレードから始まりましたが途中でやむなく中止。後は売店、展示物、フリーマーケット等々、傘をさしながらみんなでゾロゾロと歩き、楽しみました。
広いコロニーの中を親子連れで歩くことは、晴れていたらどんなに楽しかったことでしょう。歩けない親子連れもあり、来年はどうなるのかなあと心に残りました。
今月の中ごろに、コロニー再編計画の説明会があるとのこと。障害者自立支援法の実施はいやおうなく今日10月1日から始まりました。障害者施設の変革が身近なところで起こってくるわけですが、3年後の見直しにむけて不備な点を見出し、しっかり意見を言えるようにしたいものです。
本人が困らないように地域の中で生きていくにはどんな支援が必要か・・・・、私たち親兄弟が本人に代わって勉強し、その行く末を見極めていきたいものです。
福祉改革 障害者福祉に活力が生まれる政策を
阿部内閣の所信表明演説が行われた。
注目すべきなのは年金・医療・介護に関する基本方針は「持続可能な日本型の社会保障制度」をつくること。
具体的には
(1)予防介護・予防医学に力を入れること。
(2)年金、医療、介護は持続可能な日本型の社会保障制度を構築する
(4)医薬、工学、情報技術を高め、経営効率の改善をめざす。
(5)大学9月入学制の導入とボランティア活動を促進する
という。
確かに、生活習慣病の予防に力を入れた医療は必要である。医療費や介護費を大幅に削減するだけではなく健康寿命を延ばす。
より効率的で質の高い医療や介護が実現するためには、最先端の工学技術や情報技術を医療や介護の現場に積極的に導入することも必要だろう。
ボランティアが増えることによって地域福祉が推進していくことにも異存はない。
問題は、それをどのような形で実行に移していくかだ。
技術革新や情報処理の技術開発は企業や大学によって行われる。介護の経営効率化は民間の福祉施設や福祉サービス業者が行うものだ。
行政はこれらの技術が民間において改善されることを後押しする役目だ。
障害者福祉現場においても介護技術は進展を見せている。
社会福祉法人が固有に有している介護技術、質の評価方法や利用者への公表方法について、積極的に検討することが必要なのではないだろうか。
障害者が地域でいきいきと生活するためには、障害者施設でのボランティア活動を積極的に推進するよう後押しが必要だ。
高校生が障害者施設でのボランティア活動を選択するような制度を検討していただきたい。
ロボットは生活空間の変化を人間よりも正確に把握できる。
それだけではなく、最新のロボットは利用者の脈拍や体温などの状況を様々なセンサーで把握することができる。
先日、レジデンス日進で行われた愛知県監査の際に、ロボットを導入することについて話題が出た。
監査指導室の担当者からは「将来、ロボットを職員数に換算するような措置がとられるのではないか」という私見が飛び出したが、ありえない話ではない。
単なる医療費や介護費の歳出を削減する方法は福祉現場の質の低下を招きやすい。
福祉現場が利用者にとっても就業者にとってもより魅力にあふれる現場となる決め手は歳出カットではない。
持続可能性を重視するあまり、医療や介護が縮小均衡することは避けなければならない。
工学や情報処理技術を積極的に導入することが可能な仕組みが必要である。
福祉現場にやる気と活力を生み出す源泉は創意工夫である。創意工夫は利用者のニーズに応えることによって醸成される。
福祉現場の創意工夫を後押しするよう、さらなる規制緩和、福祉サービスを利用する際の手続きの簡素化、スピード化を求めたい。
9月28日に愛知県長久手町「森のホール」で第5回ウェルフェアフロールコンサートが行われました。広いホール3階まで満員の盛況で、本当によかったと思います。
私たち名東福祉会の利用者さんも20名ほど参加させていただき、歌手と握手をしたり、拍手をしたり、たいへん喜んでいました。ありがとうございました。
社会福祉法人御寿々会のみすず園の利用者さんたちは歓声をあげたり、踊りだしたりとても雰囲気を盛り上げてくださり、歌手たちも喜んでいました。
この日は天白ワークスに静岡、川根作業所のご利用者の家族と職員さん16名様の見学がありまして、ごあいさつをした後フロール会に駆けつけました。
私の風邪がまだなおらなくて、何かと消極的になってしまいましたが、ご協力くださった方々、ほんとうにありがとうございました。
風邪をこじらせてちっともよくなりません。暑いのか寒いのかすらわからず、咳ばかりがでます。
久しぶりに昔の母親仲間がレジデンス日進に尋ねてきてくれました。
「私たちは明日もわからない。自分のこどもを残してあの世へ行く。せめてここへきて楽しく暮らすのだというケアホームをこの眼で見たい。それから死んでいきたい。」
私たちが寄って話をすると、どうしてもこどもの将来のことになってしまいます。
今は美味しいものを食べたいとか、どこへ旅行を行きたいとか、いい服を着たいとかそういう望みは年とともになくなってしまいました。
「そうねえ。ケアホームがあれば安心できるわねえ。」と私。
「親なき後、年金が入ってくるのでそれでケアホームの生活費は払ってゆけると思うけど、今ある貯金は誰に預けたらいい? 加藤さんに預けるからこどものために使うって一筆書いてちょうだいよ。」
顔は笑っているが真剣だ。
「私は他の人に比べると、一番最初にあの世に行く身。そんな証文何の役にも立ちませんよ。」
「ケアホームはいつできるの?」
「障害者自立支援法で今は施設をやってけるかどうかの瀬戸際。もうてんやわんや。でも、だんだん落ち着いてきて今、ケアホームの準備に入っているから、もうちょっと待ってね。」
なんだか寂しい話を繰り返すばかりでした。
それより、いつまでも若く健康で暮らすことを心がけましょうといったら、
「親ひとり子一人がいっしょに楽しく暮らせるホームを作ってください。」といいます。
考えましょう。集まって、生きがいが出てきて、ちょっぴり世のため人のためになって楽しい毎日が送れるように。
今度、レジデンス日進に来られる日まで、きっと見つけますよとお約束しました。
東京都町田市にある白峰福祉会(理事長手塚直樹氏)の施設へサンフレンドの会の例会をかねて、見学に行ってきました。
前日は風邪をひいて、せきは出るし、熱は夜は38度5分まであがるし、明日はあきらめたほうがいいなと思いつつ寝ました。
翌朝、熱は37度2分まで下がっていましたので、途中どうしても体がもたなければ帰ればいいと勇気を出して出発しました。
最初は通所授産所「町田かたつむりの家」へ見学に行きました。
開所以来13年ですが、3階建てのごくこじんまりとした明るい施設です。
仕事は36ビスタイの組立作業と、かやふきんづくりです。
「はいできました」とか「ビニールください」とか、グループ別に声を掛け合って、役割分担しています。
かやふきんはミシンに部品をとりつけて、誰でも安全にふきんがつくれるよう様工夫してあり、出来高は伝票をつけて報告することになっています。
ビスタイは重度の人、ミシンは中度の人が行っている感じがしました。電動ミシンは改良後、1台50万円もしたそうです。
次に町田生活実習所へおじゃましました。
こちらは平成18年4月1日から東京都より経営移譲を受けた施設です。建物は古いのですが、広いし、小さいながらプールまであるし、送り迎えは車(5台)でドアToドアだそうです。
どちらの施設も今年は職員の新人が多く、公営のときと比べるとなかなか馴染んではもらえないのではないかと心配したけれど、今は10年の知己のように親しんでいるとのこと。その蔭には職員のきめ細かい配慮が行き届いているのがわかりました。
どんなに重度でもゴロりんとひとり寝転んでいる様は見られません。音楽入りジャンプ、ストレッチ体操、買い物練習などいたるところに創意工夫が見られました。小さいながら畑もあり、収穫物は給食に出したり、ボランティアにお配りしたりしているとのことです。
一番驚いたのは町田市から業務委託を受けて「町田えびね苑」を運営していること。
期間は4月22日から5月7日までと短いのですが、山野草の花が咲くときだけ。でも期間中7000名の入場者があったこと、お弁当、だんご、ジュース等の販売、苑内清掃等をやっているうちに入場者の皆さんが「こんにちは」「がんばってね」と声をかけられ、とても嬉しかったとのこと。
どこにでも仕事はあるなあと嬉しく思いました。
余談
見学の後、すてきな「うかい亭」に案内していただき、食事をしました。
すてきな日本庭園、どっしりとした調度品、ステンドグラスを主流とするたたずまい・・・
ステーキもおいしかったけれど、豪華な雰囲気に圧倒されました。
彼岸花はいつもある日突然に目の中に真っ赤な花が飛び込んでくるので驚かされます。
今年もそろそろ咲くころだなあと思って愛知県コロニーへ行く道、たんぼのあぜを見ました。
咲いていた、咲いていた。
今年もようこそと嬉しく思いました。
彼岸花は気温が20度になると一斉に咲くものと聞いていました。
去年植えておいた上ノ山の「名東福祉会農園」の片隅の花はどうかなと覗きに行きました。
隣地との境のフェンス沿いに、球根を植えたはずなのに見えません。
アレッ!? ない!!
枯れ草がいっぱいなのでそっととって見たら花芽がチラッと見えました。
愛知県コロニーがある春日井市より、3度は気温が高い当地。むべなるかな・・・。
明日はきっとお目にかかれるぞ・・・と嬉しく思いました。
ついでにミョウガも農園に植えておいたので見に行きました。
ミョウガの子が出ていました。私はひとり歓声を上げ、掘り起こして10個は採れました。
市販のものと少しも変わらない大きさ、この喜び。
この収穫の喜びをみんなに味あわしてあげたかったと思いました。ひとりでごめんね。
次にレジデンス日進の屋上へ行ってみました。
この屋上はボランティアのみなさんできれいに世話されています。
かわいいお地蔵さんが赤いよだれかけをかけてよけいかわいいお地蔵さんになっていまいた。
トマトもなすも1本ずつあったのですがもう終わっていて、今はバラの花が様々な色で屋上は華やかでした。
障害者自立支援法は障害者にとってお金のかかる法律ですが、せめて心を癒し、前向きに働いてお金の入る方法を考えましょうよ。
同志集まれ!と叫びたいです。
日進市内のNPO法人「あいあいの家」へ見学・・・というよりもちょっと寄らせていただいただけですが、驚きました。
協力会員、賛助会員によって利用会員を支えるシステムで、お年寄りも障害児も誰でも楽しい一日を過ごしていただくことを目的とする地域の中の地域の家がありました。利用料金は1時間1000円。昼食代は別途700円。協力会員の会費は年会費5000円で協力会員が相互に支えあうシステムです。
卓郎、託児、学童一時預かり、ふれあい食事、会合のための貸室、悩みごと相談、成年後見制度連携支援、訪問ヘルプ、その他のメニューが行われています。
ここは南向きの大きな住宅を大改造してできたそうです。畳の和室を1室だけ残して後は全部床張りにして車椅子でも簡単に移動できるようにしてあります。
長いすには相当高齢のおじいさんが気持ちよさそうに居眠りをしていました。先ほど、昼食をとって、今お風呂の順番待ちですが、つい気持ちよくていねむりしてしまったのでしょう。体操、お習字、カラオケなどいろいろなプログラムがあります。
ボランティアさんとゆったり過ごせる家、そしてまわりはのんびりとした田んぼや畑があり、美しい花の咲く庭もあります。諸々の憂さを忘れてゆったりすごすことができるでしょう。
昔、私は障害児を抱えて困っている人を見ると、何とか助けたい一心で、そのお子さんを自宅へ連れてきて息子や娘に世話をするように押し付けて私は用事に出かけたこともありました。思えば何たる親だったかと反省することしきりですが、今の時代はこうしたシステムができてきて、本当に幸せですね。
日進市にはあちこちにこういったボランティアさんたちの集まりで活動を行っているスペースがあるということです。レジデンス日進ももっと地域で要望されているところに目をつけて専門性を発揮し、地域に役立つ施設となりたいと思います。
午前中、何の前ぶれもなく、レジデンスの利用者が日ごろお世話になっている歯科の先生が利用者さんの写真を持ってご訪問くださいました。
レジデンスの中をご案内したのち、お部屋で諸々の話をしました。
まず歯磨きのこと、とっても興味深く引きずり込まれるような感じで自分の歯磨き態度を大いに反省しました。
先生は私よりも6歳年上の84歳とは思えない若々しさです。どうしてそんなに若いのかをお聞きしたら、歯磨き以外にもいろいろと若さを保つ方法について教えていただくことができました。
今も車を運転していること、パソコンなど何でも、興味を持っていること、ゴルフもやっておられるとのこと。
その他の健康の秘訣は・・・先生より直にお聞きしてください。お話を聞けば歯の大切さがわかります。健康が保障されること請け合いです。
これは職員さんも親さんたちにもぜひ聞いていただきたいと痛切に思いました。
午後は少し用があってあゆみ園へ行きました。田んぼの中の風が吹き渡る静かな施設です。
あゆみ園が運営しているコーヒーショップのカウンターに利用者がひとりいました。にこやかに私を出迎えてくれました。
お客さんは顔見知りの人が3人、コーヒーを飲んでいました。日進市の図書館が建てば、そこへ来る人がこちらにも寄られて、お客さんになるでしょう。
先が楽しみねとみなさんと話しました。
そうなったら、名東福祉会の製品もどこかへ置かしていただきたいな。軽井沢や白馬でみつけるようなしゃれた小物をつくってお店を飾りたいなと思いましたが、製品をつくるのはなかなかたいへんですし、まだできていませんから、まだ頼むことはできません。
日進市の障害者の施設が協力し合ってすべての障害を持った人たちが明るく楽しく地域で暮らせるように、障害者自立支援法が誰にとってもよい法律になってゆくように、願わずにはおれません。
香具山福祉会館に遊びに来ないかと急に言われて、急ぎ行ってみました。
今日は高齢者向き昼食会の日でした。私も今年78歳。年齢的にはぴったりの昼食会です。
300円で赤飯、とうがんの汁物、にんじん、魚、きんぴら、きゅうりの酢の物、ひじき、その上、黒豆のゼラチンがデザートについていました。
みんなとてもおいしく、やわらかで、子じゃれたお料理でした。
お料理をおいしくいただくと、テーブルごとに話が始まりました。名前、年齢、どこに住んでいるか、毎日何をやっているかを話しました。
参加者は香具山福祉会館がある地域の岩崎岩根、石兼、香具山の人たち。
私よりもちょっと若い70歳前後のひとたちで、みなさんたいへんお元気です。
この後、みなさんはパソコン教室に行くそうです。週に一回だけどこの日がとても楽しみだそうです。インターネットで知り合った人と話し合ったりすることが面白いとおっしゃっていました。中にはコンピュータで株取引をやっている人もありました。高齢者がこんなにコンピュータを使っていることはほんとうに驚きでした。私などは、職員のみなさんがすべて用意してくれていているので、そのあたりの事情はさっぱりわかりませんでした。
名東福祉会ではこれからケアホームなどのナイトケア施設を増やしていく計画になっています。
夜間ケアの建物は昼間は空いているので、昼間の時間を利用して高齢者が集える一室があるとこんな光景が実現するのではないでしょうか。
理事長は将来、もう一度自前調理を復帰したいという方針を打ち出しています。
一足飛びには行かないでしょうけれども、うちの利用者さんが野菜を洗ったり、お皿を運んだり、みんなと話をしてニコニコ笑っている様子が目に浮かびます。私の最後の夢ですね。
レジデンス日進を建てるとくに、いろいろと中傷や悪意に満ちたことばを浴びたことがありました。おるときは奮い立ち、あるときはもうからだが動けなくなるくらい落ち込んだときもありました。地域の人たち一戸一戸をまわりひざを詰めてこの施設の必要性を訴えました。延々数時間も玄関先で怒鳴られたりしました。
道路の建設計画をめぐって施設の建設用地がなくなるかもしれないというような危機もありました。入所施設ができることによって、職員もたいへん動揺しました。あのころは、私の一生で一番の難関だったと思います。
でも、それれらは誠心誠意取り組む事と、大勢の励ましがありましたので乗り切ることができたのです。おかげさまで立派な施設が建ち、レジデンス日進は少しずつ地域の中に溶け込もうとしています。
そんな中で、このたびの障害者自立支援法の竜巻が襲ったわけですが、それでも名東福祉会にとって
は少し突風が吹いた程度でこれから静まってゆくような気がします。
「障害者自立支援法だなんて関係ないよ」と言っているかに見える利用者さんたちの顔をみているとやっぱりレジデンス日進を授かってよかったなあと感謝の気持ちがわいてきます。
さあ、「働く名東福祉会」を構想しましょう。
今朝は台風去って、真っ青な空が見えます。からだを動かすことは長生きの秘訣、若さの秘訣だそうです。
入所施設は地域福祉の効率性を高める
障害者自立支援法によって施設は大きく変わる。本来社会の中で働ける人は企業に就職する。工賃が少なかった授産施設は工賃が高くなる。入所施設の中だけで生活していた人が多様な日中生活を送るようになる。街の中で援護者とともに歩きながら余暇をすごす人もでてくることだろう。長い目で見れば、2006年3月が日本の障害者福祉の転換点と見られるようになることは間違いない。ただ、障害者自立支援法によって障害者の幸福が増大するかどうかは現時点では不明である。
障害者自立支援法は障害者とその家族や施設関係者に大きな混乱を招くことになった。特に、短絡的ともいえる入所施設解体論が横行することは問題である。
知的障害者の家族にとって、夜間ケアの必要性は切実だ。こどもが養護学校を卒業して10年も経過すれば、親は60歳近くなる。親が加齢するごとに夜間の生活の場が必要となるが、施設整備の補助金が強く抑制され、支援費単価が下がって運営もぎりぎりとなり、施設利用の自己負担が増加していくならば、入所施設に代わる新しい暮らしの場を造っていく道筋がない。
どんなに就労移行支援制度をつくっても、それに乗れない重度の知的障害者が存在している。危機的な財政の問題からケアホームやグループホームのインセンティブが弱くなった。入所施設よりも魅力ある新しいくらしの場を提案できていないため、経営危機を迎えた入所施設からどこに逃げ出していいかわからない。単に利用者の現状の施設生活や、家庭での暮らしを苦しくしているだけである。
障害者福祉は国民の負担を前提としたサポートの上に成立している。福祉予算を充実したものにしなければサポートは充実しない。福祉予算を充実させるには税収が必要である。その税は国民所得を源泉としているため、結局、障害者福祉を充実させるには国力を高めることが必要となる。
国力を高めるには小さな政府が必要となるが、これは障害者予算の充実とバッティングする。この衝突を解消するためには、効率的なサポートシステムを開発することが必須だ。
障害者本人の自己負担を減らすためにも効率化は必要だ。効率の悪い福祉サービスによって自己負担が増加することは、利用者からも社会からも批判を受けることになる。
では、効率の良い福祉システムとは何か。限られた資金で利用者のニーズを満たすためにはバランスの良いサービス提供を行うことが必要で、なんでもグループホームが良くて入所施設が悪いというわけではいということだ。
入所施設はグループホームよりも効率が良い。
企業が共同で設立する就労継続支援の方が授産施設よりも効率が良い。
一法人一施設よりも多施設経営のほうが効率が良い。
各施設が単独で地域生活支援を行うよりも地域の生活支援センターが担当する方が効率が良い。
施設が単一機能から多機能化することは効率が良い。
職員研修は複数の施設が共同で行う方が効率が良い。
給食は共同の給食センターを持つほうが効率が良い。
各事業の特性を生かし、多様な事業を組み合わせ、最大のニーズを満たすとともに、生産効率も最大に高める努力が必要だ。
特に効率性が優れている入所施設が多機能型になり、地域福祉の核となることが重要である。
市町の福祉計画は一朝一夕ではできない。絶え間ない改善が伴う。市町の障害福祉担当者と障害者事業者の会議が行えるようになったくらいでは、地域生活支援システムとは程遠い。
安易な地域福祉システムは、結局、福祉サービスの利用者からも事業者からも地域住民からも不評を買う。名東福祉会は、短絡的な入所施設解体論ではない、利用者のニーズに従った地域福祉を実践してまいりたい。
9月14日は名東f区司会の家族会合同役員会がありました。
各施設家族会の動向が報告された後、フリートーキングで理事長に質問したり意見をいったりして、大変前向きな合同役員会でした。
理事長から障害者自立支援法が部分的に訂正があり、ひとまず福祉会の倒産という危機は回避されそうであることが報告されました。改定の内容としては一定の範囲で定員をオーバーして利用すること、夜間のケアの単価がやや緩和されたことなどです。
ですが、まだまだこの法律のもとでは施設経営が大変苦しく、ご家族のご協力がなければやっていけません。この法律にあわせ今後のパン工場の運営方法、陶芸部門の充実や木工所のあり方など検討しなければならない課題が山積しています。なかでも、火急の課題となっているレジデンス日進のショートステイの充実やケアホームを開設すること、児童療育センターをつくってこどもの療育に心血をそそぐことなど難しい課題が目白押しです。
内容をよくよく吟味するとともに、理事長はじめ職員と家族会が十分話し合い、解決の道を探っていくことが大切です。
こどもたちがよい暮らしができることこそ、親たちの願いであり、そのためには施設がよりよく運営されることが必要です。親さんたちも、ひよこづくりやそのほか、いろいろと協力していきましょうという気持ちを口々に表しておられました。親さんの気持ちや職員の気持ちがひとつにして、一日も早くこうした願いが実現することを願うばかりです。
一日が終わり、屋上ガーデンに行ってみました。
バラが咲き、ハーブが咲き、秋の七草ガーデンには萩の花が紅白で咲き乱れていました。
秋の夕暮れの、すがすがしい風にのってゆったり流れる雲が、一日の疲れを癒してくれました。この景色も花も草も、みんなの名東福祉会です。
NPOフロール会の理事会に出席しました。
第8回フロール展の報告と、第9回のフロール展企画会議です。
その他として、フロール美術館の活動報告と、今後の活動についてほかでした。
現在までの活動の中に、愛知県蒲郡市の蒲郡中学校からフロール美術館へ見学の申し込みがあったとのこと。自分たちも美術を勉強しているが、障害がある人たちはどんな絵を描いているのかをインターネットで検索したらフロール会がヒットしたので実際に見学に来たということです。やっぱり世の中変わってきているんですね。
地域で実際に活動していることが積もり積もって障害者を理解することにつながっていくんだなあと報告を聞きながらとても嬉しく思いました。
フロール会のこれからの事業として、知的障害者の「第1回しんか展」が10月10日(火)~13日(金)まで、フロール美術館であります。
また、11月18日(水)午後1時より、長久手町文化の家「風のホール」で天野鎮雄(アマチン)さんの講演があります。演題は「私が大切にしていること」。
昨今はNPO法人、社会福祉法人といろいろ組織はありますが、障害者の幸せを実現するためにやっているという目標は同じです。それぞれの組織が単独でかたまり、自分たちだけの幸せを考えていても幸せになれません。地域社会のなかでひとりひとり自分たち自身がしあわせになり、お互いが大切にされ、つながっていくことがたいせつなんだと思うのですが・・・。
障害児行動療育センター(仮称)の設立
名東福祉会は2007年4月に「愛知障害児行動療育センター(仮称)」を設立すべく、目下、準備に入っている。
当面、定員10名の規模でスタートし、成果やニーズに応じて順次拡大していく計画だ。
これにより、レジデンス日進は入所機能と療育機能を兼ね備えた多機能型の施設として新しく生まれ変わる。
行動療法はこれまで、日本においてはあまり普及してこなかった。
ところが、行動科学、行動分析、行動療法はアメリカ、イギリスなどでは広く普及しており、日本では遅れとったといわざるを得ない状況であった。
だが、近年、厚生労働省も行動科学に対する評価が大きく変わり、健康増進に関する政策では行動科学に基づく政策が採用されるように変わってきている。
医療改革や福祉改革によってエビデンスに基づく医療(EBM)が求められ、コストに見合った成果が問われる時代に入ると、「成果を出せる療法」に眼が向くのは当然といえば当然だ。
行動療法が見直され、普及のきざしが見えてきたとはいえ、現状では行動療法を受けることができる機関は少ない。
利用者として気軽に行動療法を体験し、相談を受け、親子ともども訓練を受け、家庭でも支援を受けながら訓練を継続していくことをしたくてもできないしくみだった。これまでの制度のもとで、無理に療育機関を開設すると料金は幼児のこどもを持つ親にとっては気が遠くなるほど高額になってしまう。これでは障害児の日常的な問題解決のために療育を受けるというイメージからあまりにも遠い。制度に裏付けられ、万人が利用できる療育機関が必要だ。
障害児分野においても正統派の行動療法が利用できる療育の場がほしい。児童の療育の品質は障害があるこどものその後の人生の「生活の質」を大きく左右する。
近年、行動療法によって成果があることがはっきりと証明されている。ならば、これを普及するよう、市町村はその福祉計画に明確な数値目標を設定して努力するのは当然なのではないだろうか。それも、日本で数箇所というようなレベルではなく、地域のなかにあたりまえに療育センターが存在し、親子が気軽に通園して訓練を受けられるようにしてほしい。
児童行動療育センターが設置されることにより、こどもたちだけではなく、施設を利用しているすべての人が恩恵を受けるはずだ。問題解決の行動分析はこどもだけではなく、大人にも応用可能だ。障害が重い人たちへの自立訓練や、雇用の場への就労移行訓練などすべての分野で活用されるべき技術である。
障害者自立支援法により、保育所や小学校に通園・通学しながらこうした専門的な治療教育サービスを受けることができるようになった。
この法律が導入されなければこうした療育サービスを提供する側のシーズと、行動療育を受ける側のニーズが一致することはなかった。
いろいろ問題があり批判が強い法律ではあるが、障害を持つ児童の療育について可能性を広げた点については素直に評価したい。
今後、行動療法の専門技術を有するスタッフがこの地に集まり、障害児の行動療法の先端的な療育実践の場として発展し、多くの障害があるこどもたちや家族が利用し、行動の問題や課題を少しでも解決できていくことを期待してやまない。
9月9日の土曜日はSさんの紹介で山本保参議院議員の政策ラウンジに参加してきました。
お話は来年7月の参院選についての対策が中心で、名古屋も参議院の3議席をめぐって自民党、民主党、公明党の熾烈な戦いが繰り広げられるとのこと。
正直、私にはピンとこない感じがしましたが、後半は高齢者福祉や障害者福祉の問題に入り、
「そうそう、そこを変えていかなければ」とか
「まったく同感!」とか
たいへん面白いお話となりました。
会が終わった後、応接室で特別に1時間ほどお時間をとってくださり、名東福祉会の今後の方針について話をよくお聞きくださりました。かって厚生労働省にいただけに、よく研究もされていて流石だと思いました。
理事長が児童療育センターの設立のための打ち合わせに会の途中で退席しなければならなかったことはとても残念でした。それでも私なりに理事長が日ごろ言っている障害者福祉政策に関する質問をもとに山本議員に質問しました。
特に、児童の療育については専門的なものを行いたいので、何とか助成はないものかとお願いしました。
ケアホームについては私としては障害が重い方も安心して利用できるケアホームであってほしいと思います。
福祉的な就労の場が自然な形で街の中に存在できるよう、地域街づくりについての取り組みが進むような制度がほしいし、地域の住民の方々もそういう場で福祉に参加できるようになればと思います。
就労についても、小さな企業ほど障害がある方の面倒をよく見てくださるように思いますので、今後、名東福祉会も努力するのでよろしくと申し上げました。
それぞれの項目について、思っていることを率直にお話くださり、また、今後会うまでにご要望について勉強しておきますと言ってくださいました。ありがとうございました。
9月11日と12日の2日間は全国社会福祉法人経営者協議会が名古屋国際会議場で行われましたので、私も参加してまいりました。
全国から参加者した経営者は7350名。社会福祉法人がそんなにあるのかと、その数に驚かされました。
資料を山ほど渡され「貴重な資料だからしっかり目を通してください」といわれましたが目がクラクラしてしまって、せいぜい、パラパラと頁を繰っているだけです。「ガバナンスの確立」「アカウンタビリティ」「マネジメント」「アセスメント」などなど、会場では「経営」に関する横文字ばかりが飛び交いなんのことだかよくわかりません。
私がこの2日間感じましたことは、障害がある人にとって、これまでにはないご苦労が多いとは思いますが、利用者のみなさんとしっかり話し合い、みなさんの願いやご批判をしっかりと受け止め、ますます、みずからその心を浄くして目標に立ち向かうように努めなければということでした。
今日はキリスト教会、クリスチャンライフ サラ会(名古屋市千種区)からのご招待で、レディースランチョンに参加させていただきました。ご招待の理由は、メイトウ・ワークスですてきな花びんを買わせていただいたお礼とのこと。本来は買っていただいて御礼を言うのはこちら側お筈ですが・・・。
会場に入って驚いたのは6~7人用のテーブルの真ん中に、メイトウ・ワークスのぶどうの花びんがしおりと共に、また、かわいい花を活けて、どのテーブルにも飾ってあるではありませんか。感激でした。
そして私を知っていてくださった当日の司会者のMさんが早速ごあいさつに来てくださいました。今、お子様があさみどりの会の通所授産施設「れいんぼうワークス」に通所しておられるとのこと。それはたいへんようございました。それからテーブルの皆さんと自己紹介をして、いろいろ感動しました。
もとNHK歌のおねえさんで有名だった森祐理さんの「悲しみは悲しみで終わらない」の歌がありました。神戸の震災でなくなった弟の死を乗り越え生きる希望を歌い続けられています。そしてイエスキリスト様の話を中に組み込みながらまた感動を呼ぶ歌が続きました。ときには涙を禁じえませんでした。
弟さんの死に会って、今最悪の状態でも「それが次の展開をするチャンス」と思えばどんなときでも道は開ける。落ち込んでしまっても、「私は何かするために生かされている」と思えば心が切り替わったと話されました。
私は、年をとってもう何もすることがないのではと最近思うのですが、まだ生きているということは
「奈々枝はまだ何かするために生かされているのだよ」と神様から言われたような気がして、この催しに参加させていただいたことを心から感謝しました。
本当は、メイトウワークス所長が行くべきでしたが、何せレディスランチョン。メイトウ・ワークスの家族会長の加藤さんと同行し、昔ワークスに通所されていたYさんともお会いできて、こんな嬉しい会は久しぶりでした。
この会主催のチャリティイベントがありますのでみなさまにお知らせいたします。
・2006年10月7日(土) 13:30 尾張旭市文化会館大ホール
入場料 1000円
・2006年11月4日(土) 10:30~13:30 千種区クリスチャンライフ駐車場にて
チャリティバザー
日進市はこのたび新しい障害者自立支援法のもとに障害福祉計画を策定することになり、当会の山田さんと林和子さんが日進市福祉計画策定委員として決定し、第一回の委員会が行われました。
市町村にとって、障害者自立支援法の中で、今後、地域福祉の計画や予算をどのように策定するのか具体的な数値目標を明確に出さねばならない時期といえます。
ともかく、名東福祉会としては幼児の発達障害や自閉や知的障害のためのデイサービスを始めとして、現在特殊学級や養護学校卒業後の児童の行き場を確保していきたいし、グループホームやケヤホームといった居宅の場をすでに計画しているし、移動支援やホームヘルプサービスなどをひっくるめて地域生活支援事業をやらねばならぬし、その中で、本人のスポーツやレクリエーションについてもやっていくべきだと私は思います。
そうしたところに三上さんが陶芸部長になって「地域の陶芸教室をやりたい」という提案を出していただいたので、これは知的障害者の就労支援にもなるし、高齢者の人にとっても社会資源になるので、日進市にとっては価値があるたいへん夢のあることだなあと思っています。
ちょっと思いついただけでも、どんどんアイディアが沸いてきます。当会として、きちっと文章化して行政を始め、福祉計画策定委員に提案し実現を図りたいです。
これからの福祉はこうして、地域に住んでいる人たちが手作りでつくりあげていき、それが街の文化となり、市の行政になり、愛知県の地域福祉につながっていくのではないでしょうか。支援費の単価が安いの、高くなったのと一喜一憂している間に、大切な事が素通りしてしまわないように、私たちひとりひとりの力を合わせてがんばりましょう。
久しぶりに2~3日安曇野へ行ってきました。
山や田んぼ、すすき、萩、清々しい空気が私を出迎えてくれました。
同行したメンバーは愛知県中小企業同友会障害者問題委員会のメンバーとその家族。
総勢19人になるツアーでした。
いろいろな話題が出て、中小企業経営の難しさを教えていただきました。銀行とのやりとり、税金の支払いのたいへんさ、社員を育てることのたいへんさ、仕事をこなしていくことのたいへんさなど話題はとぎれることなく続き、私は大いに勉強になりました。
宿泊先は毎年のことですが、勝手知ったるグリーンハウスです。
メンバー一同一緒に薪をくべ、野菜を焼き、肉を焼き、はては新鮮な海の幸まで出て、飲める人はますます陽気になりました。
グリーンハウスは、学校や職場に出ることができずひきこもりになったり、いろいろな事情があって家族を離れて暮らしている男女5人の若者と、いっしょに生活する指導員2人で経営している民宿です。
グリーンハウスの人たちと触れ合った2日で私はことばでは言い表わせぬ多くのことを学ばせていただきました。
指導者は深いところで若者たちと信頼関係をつくらないといけないし、何よりもグリーンハウスにわが子を託した父母自身が心の底から意識を変えないと本人は変わってくれないことも学びました。
久しぶりに行った安曇野ですが、いつものところはいっさい寄らずただひたすら、人間関係をまなばせていただいた2日間でした。
「生活介護」サービスを考える
障害者自立支援法の改革のターゲットは授産施設と入所施設だ。そのため、いやおうなしに新しい雇用型の就労継続支援やケアホームなどについての関心が高まっている。
ただ、就労を目標としていない重度の障害者の場合について、いまひとつ関心が高まっていないことが気がかりだ。もともと、障害者施設には重度の障害者が多く、生活介護のあり方が福祉サービスの品質を左右することに変わりはないからだ。
生活介護サービスの品質をこれまで以上に高めるために、生活介護について整理しておく必要がある。ここで、日中生活のニーズと受けられるサービスの関係を見てみよう。
障害がある人のニーズを3つのタイプにわけ、
1 介護を受けたい→生活介護
2 生活訓練を受けたい→生活訓練→B型・A型
3 働いて自立したい→就労移行→A型・一般就労
というルートでケアを進めていく形だ。
厚生労働省が障害者自立支援法を実施するにあたって事前に調査した区分判定の資料をみると知的障害者の場合、障害が重いほうの区分4・区分5・区分6の人の合計は53.1%となっている。
「生活介護」は主に重度の人たちが利用するサービス。区分4・区分5・区分6の人が50%を超えるならば、その人たちが利用することが多い生活介護サービスのあり方は非常に重要である。名東福祉会の利用者について考えてみても生活介護のニーズが高いことが予想される。
では日中の生活介護とはどんなサービスなのだろうか?
生活介護は重度の障害者が対象となる。支援領域は、大きくわけて3つだ。
1 健康の維持・増進
2 日常生活動作の介護
3 創作的活動
もちろんこれまで施設で行われてきた活動の内容そのものだ。だが障害者自立支援法は障害者ケアマネジメントについて厳しい規定を設けており、今後は生活介護の目的や内容、サービスのコストや効果、利用者への説明についてなおいっそうの工夫を行い、明確化していくことが必要だ。
■支援者は地域生活を想像するシェフ
そこで、生活介護を行うにあたって必要な技術をつぎにまとめておこう。
今後生活介護の分野で重要となってくる技術は
1 ケアマネジメント技術
2 健康管理に関する技術
3 問題行動の減少させ、目標行動を増加させる行動科学に関する技術だ。
私は、特に目標行動を増加させることに関する行動分析技法が生活介護の品質を左右することになると考えている。生活介護というと、他のサービスに比べて華々しさはないが、生活介護技術は他のすべての就労支援技術の基礎技術でもある。
障害がある人が質の高い地域生活を送る上で重要な技術であるとともに、これらの技術を駆使して彩と味わいのある地域生活を想像するのが地域生活のシェフたる支援者の役割となる。
■生活介護は決して分離した活動にはならない
今回の自立支援法によって、目的別の集団ができることになり、就労支援活動と生活介護の人が分離していく傾向になるのはいたしかたがない。
ただ、だからといって生活介護で行う活動が、他のA型やB型の就労支援活動とまったく無関係になる必要はない。A型の就労継続支援で必要となる作業の「下請け」を生活介護の「創造的活動」で行ってもかまわない。むしろ、そうした形で連携を行うことによって生活介護サービスで行う作業を生み出すことも必要だと思う。
創作活動は日中生活の鍵となる中心的な活動であり、この時間がないと、実際のところ、日常生活の世話だけでは時間がもたないし、問題行動も多発することになる。
■創作活動を活性化するために
重度の人たちの生活を彩る「創作活動」。しかし、創作活動にも発表の場が必要で、ただ単に作業を行うだけならばなかなかモチベーションが維持されにくい。
そこで必要となるのがイベント。日々の創作活動の成果をどういう形にしていくのかがポイントになる。
名東福祉会の場合、伝統的な陶芸など見る人をあきさせない創作活動が豊富にある。ときには力強いフォルムで圧倒する「芸術作品」ともいえる作品もできあがる。
名東福祉会ではこうした「創作活動」によって生まれたも土の塊を焼いて建物の陶壁にした。これが収益に結びつくこともあった。それはそれで生活介護のありがたい副産物だ。
このホームページのリンクでも紹介した鹿児島のおおすみ園の農園の中のあちこちに、スペイン風の壁がある。この壁に大小さまざまな丸石が埋め込まれている。これらはみな、重度の障害がある人たちが作った作品だった。美しい農園の景観に深い味わいを添えている。
創作活動を活性化するためにはイベントが必要だ。名東福祉会はフロール展などの展覧会に出展する活動を行っているが、これからも続けて行きたい。
■施設の役割は利用者の生活問題を解決すること
障害者自立支援法によって地域の中にグループホームを設置したり、雇用型の就労継続支援の場を設けたりする活動に焦点があたっている。
確かに、システムを大きく変えていくときには、社会資源が必要となるためこうした議論が脚光を浴びるのは致し方ない。しかし、そうした議論のために施設解体論まで発展するとなると疑問が残る。
社会福祉施設スタッフの本来の業務は、利用者が生活しているとき、日常生活のなかで起こる問題を解決することだ。
生活者は誰でも大なり小なり問題を抱えている。そもそも問題とは本人が「こうありたい」と願う生活のありようと現実のギャップだ。理想と現実のギャップがあれば全部問題といえるなら、誰でも問題を持っているとなる。
障害がある場合には本人だけで問題を解決できない。あるいは、障害があるゆえに、社会との摩擦で問題が発生することもある。
私たちの使命は施設利用者の問題を解決するよう支援することだ。
問題があればそれを解決するべく一生懸命、動く。
社会資源の開発に動き回るのも大切だが、施設職員たるものは、生活者の問題解決の技術を競うことを忘れてはいけない。
■「日ごろの問題を解決します」でいく
障害者ケアプランに限らず、プラニングはすべてPlan→Do→Check→Action(Assessment)の構造を持つ。
複雑そうに見える障害者ケアプランの立案作業だが、個人の解決したい問題がはっきりできるかどうかが鍵だ。
「こうありたい」という「目標」を利用者本人と設定する。生活の問題を定義し解決のプランを立ててそのように動いていく。
生活の問題は多様であるため、解決のプランも多様となる。給食がまずくて食べられないということかもしれないし、大好きな職員が回ってこないという問題かもしれない。もう少し面白い作業を行いたいということかもしれないし、となりの利用者が夜うるさいという問題かもしれない。
ここで、医療現場で行われている方法を紹介しよう。医療現場では問題解決指向型のシステムがたくさんあるが、そのなかでもSOAPといわれる手法が注目を集めている。
各問題ごとに、主訴(S)、客観データ(O)、アセスメント(A)、プラン(P)を記述していく。
主訴と客観データは対で記録される。アセスメントは問題ごとに主訴と客観データを組み合わせて導き出す。そこまでできれば問題解決のプランは自然にできあがるものだ。
現在行われている障害者ケアマネジメント作業は、理論的にはイギリスのケアマネジメントを導入しただけあって立派なものだが、ややもすると現場の日常的な問題解決からは遠くなりがちになる。
「障害者ケアマネージャー」が施設外にいる場合にはよけいその傾向が強くなる。別に、障害者ケアマネジメント制度や研修システムに反対というわけではない。障害者ケアマネジメントは、障害者の日常生活から離れて存在できないといいたいだけだ。
私たちは問題解決のプロを目指すならば日常を司る人が生活者の問題をとらえ、問題解決プランを立案すべきだ。その方法は、驚くほど簡単で実践的になる。これから医療現場で洗練されてきた手法を導入すべきだと思う。
施設の技術は問題解決力だ。これまで、そうしたパワーで施設は支えられている。むしろ、こうした地道な施設の力を報告してこなかったところに、障害者自立支援法の設計上の問題があるのかもしれない。
■施設は最良の実践を評価し発信する場所
NHKの「難問解決ご近所の底力」という番組がある。特定の生活問題に対して、ベストプラクティスを選択して提示するというもの。
今、私たちのような障害者施設にもこうした「底力番組」による実践プロモーションが必要だと思う。
施設の悩み事を選んで問題として提示する。それに対して、「私のところではこうしました」というプログラムをプレゼンしてもらう。そして、自分たちでも実践できそうなプログラムを投票で選び、<実践>してプログラムを評価する。
施設はこれまでこうした実践報告のコンペを行っていない。実践発表すると施設の自慢話で終わってしまう。聞いているほうは「あれは軽度だからできた」とすぐに利用者の能力のせいにする。そんな実践発表ではなく、実践の知識を共有する報告会でありたい。
施設は不要な存在ではない。豊富な実践を集積ている。願わくば豊富な実践を公開し、より効果が高い実践に磨き上げるシステムをみんなで共有していきたい。施設はそうしたことができる連合体でもあると思う。
NPO法人フロール会から、9月28日のコンサートのご招待があり、レジデンス日進ほかから何名かの人が参加します。
日ごろ変化の少ない暮らしをしているので、またそれがいいのですけれども、たまには「愛と夢のステージ」を体験し、楽しませていただきましょう。
昨日、夕方、東京都知的障害者育成会のレインバーハウス明石の笹谷施設長さんと職員さんがレジデンス日進によってくださいました。
ライトハウスのパン工場と愛知県半田市の社会福祉法人むそう(戸枝陽基理事長)のラーメン屋を見学しての帰りです。話題はつきませんが、ともかく東京でパン工場とラーメン屋をオープンして私を招待しますよと約束して帰りました。
50代の働き盛りの施設長と、積極的な若い職員さんのコンビ。80歳に近づいた私はちょっと動くのもたいへんになってきて、最近はバイタリティのある施設を見たいと思ってもなかなか動くことができません。そう思うと思わずため息が出ました。
でも、うちの法人にも若い力が育ってきています。所長さんたちは若いし、今に力がついてきて数年後には大磐石。先が楽しみです。
コンピュータの見すぎ?ではないと思うけど、眼が真っ赤になり、すべてが見にくいので、眼医者に行ってきました。夏休みの終わりで、こどもたちの多いこと多いこと。おかげでなかなか看てもらえず。やっと順番が回ってきて診療。完全にただれ眼。「薬を根気よくさしてようすを見てください」とのこと。診療は5分もかからない。まずはやれやれ。
このところ、あんまり暑いので、からだのいろいろなところに不具合がおきます。年齢のせいもあって、不具合はからだのどこかへどっかと居座ります。
これを乗り越えるのは、楽しいことを想像するのが一番。私は考えました。旅行も好きだったけど心臓のせいでついていけない。食べること・・・これも小食になってしまった。芸術品を見に行く・・・乗り物に乗ったり降りたりを考えると行く気がしない。何もない。あえていうなら・・・
やっぱり障害を持った子たちの笑顔を見ている時。そしてその子たちのお母さんたちと談笑しているとき。私の健康法はこれに限る。
悩み事を聞いているときだって、私自身は楽しいのだ。解決に向かっていっしょに挑戦できるから。やがて親たちの顔に明るいきざしがあらわれると、私は心の底から喜びがわきあがる。どうぞ親さんたち、遊びがてら雑談をしに我が部屋をお訪ねください。
昨日名東福祉会の理事会・評議員会が開催された。生活支援センターや短期入所事業を事業者の指定申請を行うために、運営規定の変更を理事会で承認を得ることが目的だった。このところ、障害者自立支援法の変更と共に、様々な細かい作業も必要となってくる。
この難局をのりきるため検討しなければならないことが多いのだけれども、なんだか難しい事務手続きもたくさん必要で、理事の先生方にはそのつど難儀をかけてしまう。
私には難しいことばかり。こうした専門的な話をいつも聞けるわけではない親御さんたちはどうなることかとさぞや心配しているのではないかと思う。
とにかく、今までの運営費の80%くらいしか収入が見込めなくなるのだから、今までのようにはいかない。いろいろ創意工夫し、そのうえで家族の方にもご協力をお願いしたい。
先ほど全国施設名簿が送られてきたので、パラパラとページを繰ってみた。愛知県、岐阜県を詳細にみているうち、理事長も施設長も随分お名前が変わっていることに気づいた。以前、親しくしていただいた方々が極少数の方々になっていて、業界の様変わりを感じ、制度の様変わりやをひしひしと感じるのだった。
今回の障害者自立支援法は日中活動と居住支援の双方をそれぞれ充実させようとするもの。もちろんどちらも大切だし、新しい時代にあわせて日中の活動は多彩なものになるといいと思う。働ける人はもっと働ける場がほしいし、ゆったりと介護を受けたい人はそういう場もほしい。
ただ、居住支援は・・・居住支援ということばも私にはしっくりこない。くらしの場でもいいのに。
くらしの場はほんとうに街の中に点在しなければならないのだろうか。100人単位というのはあまりにも大きいが、10人とか20人の小グループで面白おかしく暮らせればそのほうがありがたいような気がする。何も経営効率とか生産性といった難しい話ではない。
小さなグループだから地域福祉だとか、町の中に点在しているから地域福祉ということがそもそもよくわからない。郊外の住宅地から街の中に働きに通勤することのほうが都会の人たちの普通の生活スタイルなのに。
たよりになる兄貴分や弟分の職員がいつもそばにいて、
けんかもするけど、大好きなともだちがいて
おいしい食事を食べることができて
自分が好きなこともする時間が持てて
たまにはどこか近所に夕暮れ時にみんなで歩いていって遊べて
眠たくなったらぐっすり寝ることができて
ときどき、自分の家族もふらっと遊びに来てくれる
そんなホームがあればそれでいい。そんなホームができたらどんなにかうれしいかと痛切に思う。
篠田さんのお母様がなくなり、本日、八事興正寺で、身内だけの告別式が行われた。
私とほぼ同年代のお母様。日ごろから
「年をとったので、ひとりあの子を残してゆくのが心残りだ。」と言っておられた。
みんな同じで「わが子が逝くのを見届けて死にたい」は全国共通、母親の思いであり、そのために親の会は50年がかりで運動を続けてきた。そのかいあって両親がなくなっても、叔父、叔母、兄弟、施設職員もなんとか考えてくれる。
親がいなくなったら、やっぱりグループホームかケアホーム。地域の中でいろいろご近所の人たちと接点をもちながら暮らしていけるよう、コンビニの数ほどつくらねばならない。
花に覆われた棺を見送りながら、私は私が死ぬ前に、わが子がケアホームで楽しく暮らしている姿を垣間見ながらあの世の道をたどりたいと思った。
でも、篠田さんのお母さん、安心してください。職員たちがきっと早急に実現してくれますよ。
■まったなしとなった障害者自律支援法による改革
平成18年8月25日、厚生労働省からの最終回答ともいえる障害者自立支援法の調整案が発表された。いよいよこの10月からの経営内容が具体化してきた。
これまで単価が極端に低い障害者自立支援法に転換する施設はいないのではないかという観測があった。しかし、今回の発表で明らかになたのは旧法の施設は単価が80%になるということ。まさに背中に刀を突きつけられ、船から海に張り出した飛び込み板の上を前に進まなければいけない状態だ。いよいよ障害者自立支援法の事業に事業転換せざるを得ない状況になった。
社会福祉法人は生産性の向上に励む必要がある。それも、障害者自立支援法によって新しく生まれたスキームにしたがって生産性の向上を実現するよう、事業構造を改革しなければならない。
まず管理部門の構造改革。各施設ごとに配置されている管理職のあり方も障害者自立支援法に従って見直さなければならない。法人事務センターの機能を強化する必要がある。施設経営の透明性も高めなければならない。効率的な経営のためには効率的な管理が欠かせない。
次に職員教育。社会福祉法人の生産性を向上するためには、障害者福祉の専門技術を高めることが必要だ。若い人たちに知的障害者福祉の技術を磨くことを優先しなければならない。若い人を教育できないとモラルの低下を生み、サービスの質を下げ、事故を増やすことにつながる。
名東福祉会の現場は経験者が少なくなっている。知的障害者支援に有効なキャリアを積むことができる法人になる必要がある。
そしてもっとも重要なのが収益のアップ。やはり利用者に求められるサービスを展開することだ。それが収益の増加につながり、給料などのアップにもつながる。時間がないがそれをなんとかやりとげなければならない。
■改革の効果が大きい入所施設
もっとも改革の効果が大きいのは入所施設だ。入所施設を障害者地域生活促進センターに生まれ変わらせる。
私たちのように大規模な都市に位置する都市型の入所施設は多機能型の総合支援センターに生まれ変わっていく必要がある。
1 ショートステイを中心とする地域生活を送る上で起こる多様な危機を回避し回復するための機能
2 児童デイサービスを中心とする自閉や発達障害の治療センター機能
3 ケアホーム、グループホームの利用に向けた宿泊型自立訓練機能
4 職員キャリアを磨く研修センター機能
5 法人本部機能による法人経営の中枢機能
などこれからの入所施設に求められる機能はどれも敷居が高いものだ。しかし、障害者自立支援法の推進エンジンとしてみなされているのはむしろ旧法の入所施設。入所施設を変えていかなければ自立支援法そのものが進んでいかない。
地域生活への移行を考えるためには、日常生活の自立訓練を行う場も同時に必要となる。これが宿泊型の自立訓練施設だ。また、実際に入所施設から出て家庭に戻るケースは稀である。そのため、入所施設退所後のケアホーム、グループホームが必要となってくる。
こうした機能を備えた施設に変貌することによって、職員もキャリアを磨くことができるようになる。
■通所施設
既存の通所施設はどうか。障害者自律支援法は私たち社会福祉法人の現場にとってたいへん厳しい法律である。特に授産施設が厳しい。
障害者の雇用はこれから格段に進む。ハードウェアの規制がなくなれば、NPOなどによる就労支援グループが続々と生まれてくる。これからは養護学校や特殊学級を卒業した人は施設だけが選択肢ではなくなる。旧来の授産施設は経営的に極めて厳しい状況となっている。
今度の障害者自律支援法では日中活動では4つのタイプが描かれている。
1 就職をめざして活動するグループ(就労移行支援)
2 就職したも同然の仕事ぶりで、支援者といっしょにバリバリ働いて給料をもらうグループ(A型就労継続支援)
3 3000円程度の工賃で働くグループ(B型就労継続支援)
4 介護を求める人たちのための生活介護を受けるグループ
これからはA型就労継続支援が現実的な選択となる。B型は衰退していくだろう。A型を目指すといっても、名東福祉会の場合、年々授産工賃は低下している。家族会の授産科目や工賃に対する期待も大きくはない。そうした意識を改革していかないと通所施設としての魅力が将来なくなっていく。
一方、就労ではなく生活介護を求める人もいる。名東福祉会の利用者は圧倒的にそうした人たちが多い。
ただ、生活介護のありようや質の高い支援についていまだに明確にはなっていない。行動分析的な手法によってQOLを高める技術をみがく必要がある。
■アセスメントと個別支援計画
障害者自律支援法では利用者グループの構成が非常に重要となってくる。結局、人間はひとりでは生きていけないし、よく生きるためにはこころが通うグループが必要だ。
ところがこれまではすべてが施設単位だった。なかなか施設という枠組みを超えたグループをつくるという発想が生まれにくい。
だが、そうしなければ効率が悪い。施設ごとにA型、B型、就労移行支援というグループをつくってそれぞれ活動するなど無理だし、成果もあげにくい。これからは複数の施設に所属している利用者が、その個別のニーズに従って目的別のグループを選べるようにしなければならなくなる。複数の小規模施設が連携してひとつの事業を構成する場合も考えられる。企業とタイアップして特例子会社と連携することも考えなければならない。発想がこれまでとはまったく異なるのだ。
これまでの社会福祉は一法人一施設が原則で、どこにも施設長、事務員が置かれ、法人が違っても等質の施設経営が求められた。まさに全国津々浦々「金太郎飴施設」だった。これからは多様な個性を持った事業所が競い合うことになる。施設単位の経営はできない。法人単位あるいは法人間連携で福祉サービス事業を展開していかなければならない時代となる。
そこで重要となるのは「サービス調整会議」。これは地域ごとに法人を超えて会議が行われる。とても難しい課題となるが、名東福祉会はこの分野においても名古屋市名東区地域生活支援センターを中心に、個別ニーズに即した福祉サービスが提供できるようがんばっていきたいと考えている。