6月17日の評議員会にて令和2年度の事業報告・決算報告が承認されました。
昨年度は、機関誌WORKSに書かせていただいたとおり、職員による虐待がありました。今回の評議員会では、この件が法人運営・経営を左右するという認識の下、多くの時間を費やし、再発防止に向けての議論がなされました。評議員の方々の貴重なご意見を真摯に受け止め、虐待防止委員会の準備をしっかりと進めていきたいと思います。
幸いにも当法人ではクラスター等は発生しておりませんが、新型コロナウイルス感染の影響により、特に日中活動においてはイベントの縮小および中止、ボランティアさんや実習等の受け入れも自粛させていただきました。大きな額ではありませんが、作業による収入も減少しました。
夜間支援においても週末の外出、帰省等の自粛、日中活動同様に毎年おこなっている“はるまつり、夏まつり、あきまつり”も大幅に縮小しての開催となりました。『不要不急の外出の自粛』『3密を避ける』を淡々と実行してきましたが、施設という建物の中で、接する相手は職員だけという状況に、さほど表面化はしていませんが、内面では利用者も職員も相当なストレスを抱えているように思われます。
レジデンス日進・上ノ山ホームの利用者、職員のワクチン接種はすでに始まっています。日中事業所の接種も来月以降に動きがあるのではないかと思います。現在はまだ「まん延防止重点措置」の状態ですのでむずかしいですが、少しずつ外に向かった動きが再開していければと考えています。
令和2年度は厳しい決算となりました。すぐに法人運営・経営を揺るがすようなことはありませんが、ここ数年の日中事業所での利用率の低下、一昨年に終了した名東区障害者基幹支援センター事業に代わる新規事業の立ち上げができていないことが厳しい状況となった原因と思われます。
名東福祉会に求められる地域のニーズは「行動障害のある自閉症者」の事業所利用です。ただ、行動障害のある自閉症者に対応するためには、障害特性の理解と理解した上での環境調整が必要となります。各事業所で試行錯誤しながら取り組んではいますが、正直、力不足であることは否めません。この点を強化することで新たな利用者の受け入れやグループホーム事業に結びついていきたいと考えています。今年度から行動障害のある自閉症者への対応の強化を法人の内部研修としてスタートさせています。
虐待防止委員会の準備と行動障害のある自閉症者を対象とした内部研修が令和2年度を踏まえての課題であることが評議員会でも確認されました。今年度は2つの課題を軌道に乗せる重要な1年であると考えています。動きがあるごとに経過をお伝えしていきたいと思います。