3月9日に理事会、昨日には評議員会がおこなわれ、次年度の事業計画等が審議され、承認されました。承認された計画等を実践する4月がいよいよ近づいてきました。
平成19年度には天白ワークス、平成24年度にはメイトウ・ワークスとレジデンス日進が生活介護と就労継続B型の多機能型を設定しましたが、今年度からはその3つの事業所が就労継続B型を廃止し、はまなすと合わせて法人全体が生活介護に一本化されました。
名東福祉会は、法人設立時からいわゆる重度と言われる人を中心に受け入れてきた経緯があり、それは現在も継続していますが、障害の重い利用者に継続的に作業を提示することは簡単ではありません。それでも職員が「働くこと」の大切さを感じ、作業に取り組めるよう工夫をすることで、1日のほんの短い時間であったかもしれませんが、利用車の皆さんに作業提示をおこなってきました。当然、「仕事をして工賃を得ること」を理解して作業に向き合うことができる利用者もいましたので、その方たちには、職員が設定した作業を提供してきました。
最初は用意した作業を「やってもらう」という意識を持って提示することができるのですが、やがて無意識なのでしょうが、どうしても職員が作業を「やらせる」といった状況が生まれてしまう傾向があります。授産施設と呼ばれていたころは作業というものに対して、もう少しアバウトな感じだったような気もするのですが、就労継続・工賃アップをいう言葉のインパクトが強すぎるのか、作業はしなければならないものであり、作業を「やらされる」利用者、「やらせる」職員という関係性が、なんとなくではありますが成立してしまう方向に進んでいるのではないかという思いがあります。
また、作業はその工程や完成までの流れがはっきりしていることから、職員にとって利用者への提示方法等がわかりやすく、障害特性等の理解のないままに過剰に提供してしまうことも心配されました。
もしそのような状況が、事業形態に縛られることによって起きてしまうとするのであれば、その形態から利用者も職員も解放されるほうがよいのではないかという思いもあり、平成30年度に就労継続B型事業を廃止し、生活介護に一本化しました。決して働くことを軽視しているわけでも否定しているわけでもなく、法人の理念である「利用者の思いを確かなものにする」ために、意思決定支援を日中活動に持ち込みやすくなるのではないかと思って事業を一本化しました。
下請け作業を探すことや陶器やクッキーなどの自主製品の販路を見つけることは大変ですが、作業を選ぶことで落ち着ける人、工賃との結びつきが理解できている人には、生活介護といえども作業を提示していくべきです。
その一方で、質や量、納期や工賃額の設定にとらわれず、利用者が主体的に取り組むことができるものを探し、提示できることが生活介護の強みでもあります。利用者自身が選び、継続できるものが見つかれば、その先には、あらためて作業というものが見えてくるのかもしれません。次年度は、「選択と集中」がポイントになってくると考えています。
間もなく一本化し、1年が過ぎようとしています。次年度以降、各事業所が生活介護の強みを理解し、それを生かすことができれば、名東福祉会の日中活動に小さな変化が起きると思っています。