施設事業者としては言いたい事がやまほどある虐待防止法です。でも、どうせこうした法律が制定されるなら、これを契機に利用者のために知恵を出し合う事が最善と思います。
虐待はどうして生まれるのかを現場で考えましょう。相手が思うように動いてくれないから始まって、ルールに従わない、支援者に反抗する、さらに危険な行動を続けるといった事がきっかけとなります。
「支援者の虐待」というおぞましい言葉を当てはめざるを得ない状況まで支援者と利用者の関係がこじれてしまう前に、現場で知恵を出し合って、原因を探ります。各現場でナゼを繰り返し原因を突き止めましょう。
なぜ支援者は強引に利用者を止めようとしたのか?
→それは利用者の方が道路に飛び出そうとしたから
ではなぜ道路に飛び出すのか?
→それは、散歩に行くために入口が空いていたから
ではなぜ散歩にみんなが出かける前になぜ支援員が側にいなかったのか?
→散歩の準備と連絡をするために支援員が離れる必要があったから
ではなぜ準備と連絡に離れる必要があるのか?
・・・
といろいろと徹底的に原因を遡ったり、具体的な支援の動作を細かいステップに分析したり・・・。
私たち名東福祉会は相談についても行動療育もそれなりの技術を持っていると思います。課題はそれを法人全体で共有していない事なのです。
支援員個人の資質にしない事が大切でしょう。何事も利用者のためにを合言葉に支援内容を改善していく事が、施設における虐待撲滅の近道なんだと思います。