GDPっておおざっぱにいえば日本国内で消費されたお金の総額です。確かに、GDPの社会保障に占める割合は大きくなっています。反面、日本のGDPの伸びは停滞しています。
ただ、名東福祉会のような障害者福祉団体の活動では、往々にしてこのGDPに反映されられないような「経済活動」をしています。
例えば、施設のボランティア活動は施設職員と変わらない活動をする事がありますが、無償であるためGDPには加算されません。
物を購入して使うのではなく、誰かのものを共同で使ったりする事もGDPには反映されません。上ノ山の畑で採れたものを給食で使用すると、もちろんGDPには反映されません。
利用者の日中活動で、「ご近所の役に立つ」ために、畑で採れた花をリサイクルの植木鉢に植え、それを無償でご近所にお配りしても工賃は稼げません。でも、「お礼」として地域の夏祭りにご招待されたり、地元出身の野球選手が来てサイン会が行われたり、ギター演奏やバイオリンの演奏会があったりするかもしれません。お金は動きませんからこれらの活動は本質的にGDPには無関係です。無関係ですが、お金を稼いで使う以上の喜びは感じる事ができると思います。
社会福祉の活動にはお金がかかります。しかし、工夫次第でお金がかけずに生活の質を向上することも可能だと思います。経済指標では計り知れないのが福祉活動です。
増税をして、社会保障にあてるというのは、何か、社会保障が増税のいいわけのネタにされているようで嫌な感じがします。
それよりも、施設建設の規制を撤廃するとか、提出書類を減らして実質的に利用者が満足するための時間をとりやすくするとか、子どもたちが福祉施設での活動体験を増やすようにするとか、障害者が企業で働きやすくするとか、気の合った仲間どうしでも施設を運営できるようにするとか、もっと社会福祉施設の活動がやりやすいような環境を整えることに力を入れてくれればいいのにと思います。GDPや消費税とは無関係ですから。