消費税増税論議が出てきました。つい最近まで封印されていたのに、大連立構想が納まったとたん再び論議され始めました。
財政立て直しのために消費税を上げることはよくありません。高齢者医療費負担増の凍結など、もっと議論すべきであるのにあっさりと通過しそうな気配です。
尊厳をもって迎えるべき死。それに対して終末医療を食い物にするかのような医療現場。まだまだメスを入れるべき分野が残されています。
障害者福祉に掛ける予算はもともと多くありません。介護保険との統合が難しくなった今、財源は消費税しかないことはわかっています。でも、安易な増税と支援費財源の確保はかえって障害者福祉をだめにします。
日本が高福祉・高負担の福祉国家となることは無理だと思います。日本は1億3千万人のアジア的家族主義国家。大半の資産を高齢者が保有しています。スウェーデン(900万人)やフィンランド(500万人)は国全体で愛知県(700万人)と同じぐらいの人口しかいません。根本的に日本の経済とは状況が異なります。日本が北欧の国と同じように高福祉・高負担の国家に変わることは難しいと思われます。
やはり成長力を底上げしていく施策が必要でしょう。中途半端な増税によって経済が停滞し、税源が不足するという悪循環が続くことがいけません。成長力が落ち込んだままだと、障害者雇用は夢のまた夢。障害者自立支援法によって施設で生活することもだめ、企業に就職することももだめでは障害がある人はどこで生活すればよいのかということになります。障害者福祉の質は成長力が確保されてこそ安定します。あいまいな増税論は障害者福祉にとって毒針ではないかと思います。