今後の日中生活のあり方は就職ニーズが低い人から高い人まで多数の選択ができるようになります。
1 生活介護
2 就労継続支援(B型)
3 就労継続支援(A型)
4 就労移行支援
5 一般企業の就労
これまで、障害がある場合の学校卒業後の進路は、通所施設での福祉的就労か企業への就職かという選択だった。施設サービスを利用することには安定感があり生活の保障もあるため、就職をせず、施設を選択する人が多くなってしまいました。施設を利用した生活では
1 障害基礎年金が支給されるため、ある程度の生活保障がされる。
2 支援費制度により、ある程度の地域生活が保障される
3 (額は平均15000円と少ないが)工賃も支給される。
など、それなりに安心がもたらされます。一方、障害者側から見れば、企業での就労は危険がいっぱいです。
今回、障害者自立支援法で自己負担が発生するようになりました。自己負担を増やせば企業への就労が増えるかといえばそうはなりません。ただ単に、障害者の生活が苦しくなっただけです。企業への就労が促進される対策が急がれます。
企業への就労を増やすには、支援付き雇用を増やすことが肝心です。そのためには、障害者を雇用する企業側にも障害者雇用をすれば利がもたらされるような政策が必要でしょう。現在の障害者雇用対策は、障害者を雇用しなければ罰金を払う(大企業のみ)というネガティブなものであまりぱっとしません。多くの企業が罰金を払って障害者を雇用していないのです。
この問題を解決すべく、いろいろと法制度が検討されています。例えば、
(1)障害者雇用を目的とする子会社に企業が投資をする場合に、投資した資本金を損金に繰り入れることができるようにすること
(2)複数の企業が共同出資して障害者雇用を目的とする子会社を設立することができるようにすること
などです。子会社ですから、障害者雇用率に含めてカウントすることができます。
しかし、これだけでは障害者雇用率によってペナルティを与えられている大企業に限られます。障害者が一般企業へ就労することを促進するためにはもっと踏み込んだ対策が必要でしょう。例えば障害者を雇用した場合、A型就労継続支援の支援費単価に相当する雇用促進費を<恒久的に>企業に支払うのです。障害者の自己負担金はもちろん必要ありません。
そうなると、授産施設は大打撃となります。では、私たち社会福祉法人の人間はこうした対策に断固反対すべきかというとそうではありません。社会福祉法人も企業と連携して、そうした子会社を共同でつくったり、自らが起業して別会社をつくり、雇用の場を拡大すればよいのです。逆に、就労できない人に対する介護単価はもっと充実したものにできるようになります。
そうなれば社会福祉法人の使命は
1 障害者のケアマネジメント
2 重度の人に対するサービス
3 企業の障害者就労環境のコーディネート
4 障害者就労継続支援の管理業務委託
4 居住サービス
といったところに落ち着いていくでしょう。社会福祉法人はこうした政策が現実のものになるかもしれない5年後にむけて、対策を立てていかなければなりません。