人知らずしてうらまず、また君子ならずや

論語が流行っているのだそうです。

「子曰く、学びて時に之を習う、またよろこばしからずや」
これを知的障害者の福祉的の世界に置き換えると
「本人にいいものは、これまで学んだことがあってもどんどん積極的に学びましょう。」
となります。

「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」
というのは
「考え方が違う人が法人の外から来て、その人が紹介してくれたいいものを取り入れると、これまでにはなかったいい事が利用者に起こる。」
となります。

「人知らずしてうらまず、また君子ならずや」
これは
「人知れずこつこつと利用者を支えることが本物の福祉マン」
ということなのかと。

福祉の方法論について上記のように柔軟に学び、効果のある実用的な技法を取り入れ改善を続けると、技法の開発者としては有名になれないかもしれません。でも利用者のために研鑽を続けているとそんなことはどうでもよくなり、最後には利用者が生活する地域が利用者にとって住みやすい地域になったかどうかだけが問題になります。
福祉サービスでは「陰」の支援時間が大半です。こつこつと利用者の傍らで支援作業を行っているとき、他のスタッフは誰も見ていないことが常です。しかし、そんなときでも利用者は誰が君子であるのか知っているのです。

福祉サービス従事者の心得としても論語は現代にも生きているのだと思います。