7月6日、名東福祉会後援会総会がレジデンス日進の2階、地域交流室で催されました。
林後援会長の挨拶、理事長の挨拶、その他型どおりの報告がありました。いつも、理事長挨拶が厳しい内容で長いのでヒヤヒヤしていましたが、暗に相違してとてもわかりやすく、
「この後援会は家族会の方と地域のボランティアの方々で構成されているたいへん有意義な会です。
この福祉状況が最悪のときでも、家族が一生懸命力を合わせ明るく楽しく生活し、また御世話になった人に感謝すると、職員達も明るくなり、一生懸命お世話してくれ、利用者たちも落ち着いて楽しく日常を過ごしてくれます。
そうした姿を見た地域の人たちの賛同の輪が広がっていき、この福祉状況を乗り越えていくことができます。」と、感謝の気持ちを込めて理事長は挨拶しました。
みなさんの顔がとても輝いていましたし、私も嬉しくて、病院から無理やり出てきたところながら、ご挨拶をさせていただきましたら、万雷の拍手があって、一緒に私も皆さんの幸せを祈りました。
各施設の施設長達からそれぞれの発言があり、親近感を感じるひと時でした。
この後、清水睦子さんの朗読をお聞きしました。題は藤沢周平の「こぬか雨」。人は刹那的な出会いの中に、身を賭してでも出会った人を助けることがあることを教えてくれ、ジンときました。
大竹さんの竪琴のライアー演奏がありました。演奏にあわせてみんなで「ふるさと」を歌いました。不思議なやさしい音がでる楽器で、みんなと歌っていると幸せな気分になり、時のたつのを忘れ、素敵な雰囲気に浸りました。
遠くから駆けつけてくださった清水さん、大竹さんありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
7月 2009のアーカイブ
高齢者医療難民
北欧の障害者施設を見学すると、ほとんどの利用者が高齢者であることに驚く。考えてみれば高齢者は障害を抱えることが多く、あえて分ける必要はない。確かに、障害者と高齢者を分けるのではなく、融合してケアするような仕組みがあった方がいい。
高齢者医療と高齢者介護がまともに機能していなければ、障害者施設の充実はない。ところが、日本の高齢者医療は崩壊寸前だ。高齢者医療が崩壊すれば障害者福祉も崩壊する。
吉岡充先生と村上正泰氏の「高齢者医療難民 介護療養病床をなぜ潰すのか」(PHP新書,2008年12月)を読んだ。
吉岡氏は東京八王子上川病院理事長。NPO全国抑制廃止研究会理事長も兼務。
村上正泰氏は1974年生まれのもと財務省官僚。厚生労働省に出向し、平成18年度の医療改革で医療費適正化計画の枠組みを担当し、思うところあって財務省を退官。あの村上水軍で有名な故郷の因島に戻った。
この本を読むと、小泉構造改革当時、いかに医療改革の出発点の目標とはかけ離れた「改革」が断行されてしまったのかがわかる。
実態に合わない無謀な「医療区分Ⅰ」という患者の医療ニーズの重さの枠組みを導入し、医療費を抑制するやりかたは、障害程度区分で用いられた方法を連想する。
負担の押し付け合い。そのあげく、結果として負担が減ったのは公費、その中でも国庫だけ。この歪められた改革の構造は、障害者自立支援法とまったく同じだ。
高齢者や障害者をケアするはずの家族や地域社会が徹底的に破壊され続けてきた。私たち日本人は今そこを問われているのだと思う。
また「より良い生を生きる」は「よりよく死ぬ」ということでもある。尊厳のある生は、尊厳のある死ともつながる。私たちはどうやって生き、どうやって死ぬのかを正面から考えていかなければこの問題は終わらない。
家族と地域共同体の再構築・・・この難しい問題に新しい福祉の扉を開く鍵があるのではないか。障害者域福祉関係者には是非読んでいただきたい一冊だ。