正々堂々

「正々の旗をむかえることなく、堂々の陣を撃つなかれ」
<正々堂々>の語源とされている孫子のことばです。大儀を掲げている相手と対立し、陣容が立派な軍隊と戦っても勝つことは難しいので戦いを避けなさいという意味です。
正々堂々とした軍は戦いには敗れないというように使うこともあります。
社会福祉法人には使命が必要。
今、社会福祉法人は財政難で危機を迎えていますが、この難局を乗り切るにはやはり事業の使命感が必要ですし、使命を達成するという意識が私たちを堂々とさせてくれます。
私たちの旗は障害を持った人の生活の質を高めること。
生活の質の向上は私たちスタッフやボランティアや家族が「正々堂々」としていることから生まれると思います。
生活に楽しさが広がるように日中活動の選択肢を増やし、生活にまつわる様々なトラブルやストレスを軽減し、
必要とあればそのための幅広い支援活動を行い、生活の質を高めていくことが私たちの使命です。
このQOLを高めることが私たちの正々の旗です。そうした活動に賛同してくれる人たちが堂々の陣をつくります。
こうした活動を続けていれば今の難局などいずれ乗り切ることができると確信しています。

キャンプ

子どもたちの夏休みが始まりました。各所で多彩な催しが行われています。
なかでもキャンプは子どもたちに人気の高いプログラムであり、学びの場であると思います。

長男が半身マヒの障害児となった3歳のときから、私はいろいろな親子体験に挑戦することに努めました。
あるとき、朝日キャンプが行われることになり、私が所属していた麦の会(重度心身障害児の親の会)からも3組の親子が参加することになりました。
キャンプ地は犬山市。日本ライン下りで有名な木曽川のほとり、桃太郎伝説ゆかりの地です。キャンプ名も「桃太郎キャンプ」と名付けられました。

私はちょうど3人目の子どもができたころで、大きなおなかを抱えて参加しました。
私の長男は多動で少しもじっとしていてくれません。油断するとすぐに川に向かって韋駄天走りをします。半身マヒなのに速いのです。
そこで学生さんがついてくれることになりました。てんやわんやのキャンプでしたが、得るものがたくさんあったキャンプでした。

キャンプは楽しくて、人の心のつながりも深めます。
日中、思う存分走り回った長男はざら板に毛布一枚のベッドでぐっすりと寝ました。
このときいっしょのテントで寝た3組の親子はあとあとまでいろいろ助けあって長い年月おつきあいすることができました。

以来、あさみどりの会が主催する南山大学学生のキャンプだとか、中日新聞社会事業団の中日キャンプなど、主催者、共催者としてたくさん関わらせていただきましたが
なんといっても最初に参加したキャンプは忘れられません。

長男は今はもう56歳。初老です。このときおなかにいた長女も48歳。主婦として平和な毎日を送っています。
思えば長い道のりもあっと思う間に過ぎました。これからは若い世代に希望を託そうと思います。

2007年8月9日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝