理事会を構成する理事のうち、職員が1/3を超えることができないという規定を撤廃するということは、すべての理事が当該の社会福祉法人の役員で構成される理事会をつくることができることを意味します。障害者自立支援法の時代にあっては、施設を超えた法人本部が中心となった経営が必要となります。これからの社会福祉法人は法人本部機能を強化しなければらないと「社会福祉法人研究会」では報告されています。
障害者自立支援法では、利用者のニーズに合わせ、多様な生活を選択することができるようになりました。日中の生活だけでも就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労移行支援、生活介護、自律訓練があります。
夜間の生活の場はケアホーム、グループホーム、入所施設、在宅と多彩です。利用者はこれらのいくつかを自由に選択することができるのですから、施設という枠組みを超えた管理が必要であることはいうまでもありません。
地域の中に多様な選択肢が用意されるため、これまでのように施設単位で経営を考えることはできなくなったのです。
つまり、自立支援法時代においては、施設という枠組みを超えて経営の意志決定を行う機関を法人本部に置くことが必要となります。
意志決定が行われる機関とは理事会です。このように理事会の理事は法人本部にあって常に意志決定を行う「職業人」=プロフェッショナルである必要があると考えられます。
経営のプロフェッショナルな人といっても監査の指導の立場から見れば報酬をもらう「職員」ということになります。理事会を構成する理事のうち、職員が1/3を超えることができないということは障害者自立支援法時代の要請からずれてしまっていることがおわかりいただけるでしょうか。
このように理事会の機能強化とは、とりもなおさず法人本部機能の強化を意味します。