11月23日、名古屋市昭和区役所講堂で行われた社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会と社会福祉法人名古屋手をつなぐ育成会が主催する「知的障害のある人の成年後見を考える」セミナーに参加いたしました。
開催あいさつの後、講演「知的障害者の成年後見の社会基盤づくり-現状と課題-」というテーマで、全日本育成会中央委員会委員長の佐藤彰一氏(弁護士)より講演をいただきました。
○成年後見制度のねらいは何なのか
○制度の概要
○成年後見をつけると役に立つ具体的事例
○成年後見制度を利用するときに考えるべきポイント
を中心に、具体的事例をあげて説明されました。
今まで何度も後見制度の説明を聞きましたが、今日ほどすなおにわかりやすく理解できたことはなかったと思います。
セミナーの内容を端的に言えば、自分たちでNPOでも何でも良いから組織をつくるべきだということ。本当は親がなるべきだが、年の順でゆくと先に死ぬ。だから、信頼できる自分たちをいちばん知ってくれる人にやってほしい。ネットワークで後見人をつくるとよい。その地域地域でかかわりかたが違うから、その地で生かせるものを立ち上げるとよい。「親亡き後ではなく、親あるうちに」を何度も協調されていました。
障害のある人の後見支援は長期間にわたります。財産管理だけではなく、生活支援もカバーする後見システムが必要となります。今こそ、若い親たちが立ち上がって作るよう努力してほしい。それが手をつなぐ育成会の使命だと思うとまで言われました。
また、各市町村レベルで「バックアップシステム」や「コミュニティフレンド」をつくるべきだと強調されました。沢山の資料にもとづき、具体例をあげての説明の中でいずれにしても弁護士や司法書士はタダでやるわけにはいかない。報酬はきちっと払うべきだとちょっと言われました。もっともなことだと納得がいきました。午後からはシンポジウムと相談質問で、
○名古屋育成会理事長 仁木雅子氏
○愛知県弁護士会 熊田均氏
○名古屋市健康福祉局生涯福祉部長 長谷川弘之氏
○愛知県弁護士会 河内尚輝氏
○NPO法人PACガーデアンズ理事長 佐藤彰一氏
の各氏が発言、質問に答えられました。会場に参加した400人近い人々は満足して帰られたと思います。