みのりの秋になりました。
上の山児童行動療育センターの前に、大きな柿の木が二本あり、たわわに柿の実が実っています。
この夏は私も畑になす、きゅうり、ミニトマトをつくり、十分夏野菜を楽しむことができました。
みなさんにもらっていただいたりして、この物の十分な時代にも食べ物を自分で作ると言うことは貴重なことだと思いました。
私の女学生時代は戦中華やかなりし頃で、英語等の授業は廃止され、軍需工場の部品作業に切り替えられていました。
それでも女学校には「おかっぽう」の時間が周1回だけ残されていました。
食糧事情がひっっぱくしていることもあり、食材はなす、トマト、きゅうり、じゃがいも、タマネギなど畑の野菜ばかり。砂糖も不足していて調味料は塩とカレー粉ぐらい。たんぱく源がほとんどない粗末な調理実習が続きました。
それでも、弟や妹たちがそのおかっぽう実習材を持って私が帰るのを楽しみにしてくれ
「おいしい、おいしい」
と見る間に食べてしまい、とても喜んでくれるのがどんなに嬉しかったでしょう。
クラスのみんはは
「そのくらい、ここで食べてしまえば。苦労して持って帰らなくともよいのに」
と不思議がりましたが、私は、私のお料理を首を長くして待っていてくれる弟や妹たちを思い、阪急電車にゆられながら帰宅しました。
児童療育センターの評判も良く、畑は今や秋ものの野菜が目立ちはじめています。空地にしてケアホームが建つのを今か今かと待っている場所もあり、ほんとうに上の山はいいところです。
今は毎日大変なことが続く障害福祉の仕事ですが、喜んで待っていてくれる人がいるこの仕事に就けたことは私にとってこのうえない幸せです。