中日新聞「寄り添え」という欄に、私の拙文が掲載された。その後、
「同感」
「私も同じような経験をした」
とたくさんの人から電話や会った時にことばをかけられて、新聞はやっぱりたくさんの人が見ているのだなと驚かされた。
95歳で亡くなった母の事を書いたのだが、一緒に住んで毎日けんかをしたり、世話をやいたり、やかれたりしたがあの頃が懐かしい。
とりわけ、今から6年前、私が心臓の手術をしたとき、90歳になろうかという身で毎日バスに乗っては病院まで来て私の足をさすっては
「何もしてやれなくてゴメンネ、私より早く死んではいやだよ」
とつぶやいては帰って行った。母のありがたさが身にしみたひとときであった。
私は今、58歳になる心身障害者の息子がある。私は年老いて何もしてやれない年齢になった。
施設から春・夏・秋・冬の帰省で家に帰ってきても、今では何もしてやれなくなった。
一緒にいるだけの数日だが、亡くなった私の母の心境が痛いほどわかる。母子って不思議なものだなあと思う。;
そして、ほかの障害を持った子の母親たちも、みんあどんなに年をとっても親・子の情は誰も変わりはなく、
「この子は私が死んだら誰がめんどうみてくれるのだろう・・・」
と思い、
「この子のために私は少しでも頑張らねば・・・」
と思い続ける。
自分より、大きく、力強い子どもに向かって
「私が頑張らねば」と思い続けるのだ。