チンチョウゲの花

今朝、チンチョウゲの花が私の部屋に届けられました。
早春を感じさせる花で、お彼岸も過ぎるころに終わりとなり、やがて桜の季節へと移ってゆく、つかの間の春つげ花です。

昔、私の家・・・というより加藤家の庭はたいへん広く、石灯篭や大きなけやきの木、小さな池、イチジクの木、離れの家までありました。

屋敷の地所は本屋がまんなかにあり、その前に古い菓子工場、私たちの家、庭が全部つながっていて、名古屋駅から歩いて10分くらいの距離にあるにしてはうっそうと木が茂り、都会に置き忘れられた別世界のようでもありました。

そんな大家族の中で3歳にして身体障害と知的障害を持つようになった長男が暮らしているといろいろと問題を起こします。長男が育っていく中で、私はいつも気が休まらず、なにかがあると心が折れそうになる日々でした。

庭の一角にチンチョウゲの木が2~3本あって、春ともなると、馥郁(ふくいく)たる高貴な香りに私はいつも慰められました。どんなに苦労していても「また頑張ろう」と気をとりなおしたものでした。

いろいろと懐かしい花をいつも届けてくださる利用者のお母さんたち・・・。

私はこれまで数えくれないくらいの人々に支えられ、囲まれて、こんな年になるまで生きがいを感じながら暮らしています。

支えられるだけで何もできない私ですが、私はみなさんの幸せを祈りましょう。

2008年3月17日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝