久しぶりにクリスマスコンサートに行ってきました。始まるのが6時30分からです。この時間、いつも眠たくなる時間なので心配しましたが、なんのその、すっかりピアノ演奏に魅了されてしまいました。

曲目「オペラ座の怪人」や私の好きな「ラ・カンパネラ」が演奏され、バックの光るトナカイさんとあいまって、クリスマスコンサートはとても盛り上がりました。

そしてなんと演奏者からのプレゼントCDが私たちの同行者の18歳のお嬢さんに当たって、私まで大喜びをしました。

お店は旬の無農薬・有機野菜の家庭料理の店。オーナーご家族が最後に手作りクッキーの袋を配ってくださいました。きびきびしたお兄ちゃんから私は袋を頂きましたが、お母様に抱かれたダウンちゃんが私をじっと見ていました。私は「ありがと」とダウンちゃんに言いましたら、お兄ちゃんも嬉しそうでした。素敵なお食事と音楽で心を癒し、暖かな気持ちで帰路につきました。

このところ、施設運営に心を痛めていたのですが、ひとときとはいえ、心を癒されることは大切です。さあどうしたら次の計画を実行できるか、ふとんの中で考えているうち、いつの間にか眠りに入っていました。

2006年12月13日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

12月4日(月)~5日(火)、ホテル日航豊橋を会場にして、愛知県知的障害者福祉協会が主催で職員研究大会が行われました。

「良質で安定したサービス提供を目指して 自立支援法でどう変えてゆくのか」がテーマです。今回は本人の参加と保護者の参加が思わぬほど沢山ありました。

基調講演は福岡寿氏(北信圏域障害者生活支援センター所長)。テーマは「自立支援法を受け、再び地域生活支援を考える」。地元西駒郷から地域へ移行し、その後、どう対応したかについての話です。それは「ケアマネジメントの仕組みづくり」がポイントで、その中心は実際にはケア調整会議であったといいます。地域の様々な分野のプロが集まり、障害者のニーズにどのように対応するのかについてのアイディアを出し合い、実行する会議です。これからは「どうやって福祉分野以外の人たちと連携するのか」がポイントであることを示唆されました。その話の速さはまるで機関銃のようで、私のように老齢の身には聴き取るのもやっとでした。

川口弘福祉協会前会長(ホタルの郷施設長)からも特別講演がありました。内容は施設は今存亡の時。厳しい状態だが、職員がきっちりやってゆかないと障害者が困る。
1 可も無く不可もない職員になってほしくない。
2 サークル活動、なれあい活動はだめ。
3 施設長は何もやらないはだめ。
4 若い職員からどんどんアイディアを。
5 違った分野から福祉を見てほしい。
6 目標管理が重要。指針を示す。
7 変化を恐れず、自ら変わる。
8 常識を打ち破る。
9 人間を好きになり、コツコツと進める。
これまで福祉分野ではあまり紹介されなかったP.ドラッカーの経営理論を引用され、福祉経営もいよいよ一般企業以上の経営センスや企業理念が求められていることを痛感しました。でもそこは川口先生。「論より愛、考えるより行動を」と福祉の実践家らしく話を結ばれました。

私は第6分科会の家族の会に入りました。会場は100人程入っていてたいへん驚きました。会長の南氏から「自立支援法は自殺支援法。今後、政治を動かす請願書を提出したいのでみんなに入会してもらいたい。家族も困っているが施設も困っている」とのあいさつがありました。こうした時代にはどうしても言葉が過激になりますが、政策が大きく変わるときには行政も施設も家族との十分な話し合いが必要であることを強く思いました。

利用者の兄弟といっても私と同年代の方もたくさんいらっしゃいます。愛知県の障害者福祉も50年以上の歴史を刻んでいますから、当時の利用者の親はもうとっくにいなくなり、兄弟の世代も高齢化が進んでいることがわかります。私たち名東福祉会も設立から30年近くになり、いよいよ家族会の世代交代についても考えていかねばならないと思いました。

2006年12月6日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

えがお歯科の橋本京一先生とお知り合いになり、この度、橋本先生から「若さと歯の関係について」お話をいただくことになりました。えがお歯科はレジデンス日進のすぐ近くにある歯科医院で、利用者さんたちが診療してもらっています。その医院の大先生が今年84歳になる橋本京一先生です。

 ごく少数で談話会にしようということで、初めてのことだから私の友人10人に呼びかけたところ、うわさを聞きつけどうしてもという人も参加することになり、14名の談話会となりました。14人となれば手ごろな部屋がないので、まだ完成していない新しい職員室を使わせていただくことになりました。先生は84歳とは思えない体格でいらっしゃいます。声もはきはきと張りがあって聴き取りやすく、体中から健康であることがにじみ出るようでした。

 若さを保つのは、よく噛むこと、よく歯磨きをする2つが大切であるとのこと。当の私はほとんど入れ歯というか、とりはずしのできないインプラントや差し歯。今では歯茎がだめになって固いものは食べられません。もう手遅れかと絶望的になってお話をうかがいました。

 参加者14名に先生は「8020」ということばを知っているかたずねられました。8020とは80歳になって20本の自前の歯を持つよう、口腔衛生に努めましょうという運動のこと。知らなかったのは私だけ。私たちの年代になると、ほとんどの人が知っておられると知り、はずかしくなりました。

 振り返ると私はこの50年間、知的障害のことしか考えが及ばず、「福祉オタク」と言われてもなんのことやら分からず、後で調べて激怒したこともありました。自身の健康を省みなかったことは今となってはもう遅いことは重々分かってはいますが、ともかく今日の先生のお話の中からひとつでも実行しようと覚悟を決めました。クオリティ・オブ・ライフです。

 大声でしゃべる、歌を歌う、3ヶ月に1回は検診する、口腔清掃と生活習慣の改善と・・・なーんちゃって。三日坊主かも。

 いつも使っている歯ブラシを持参するようご指示があったので、お弁当をいただいた後、先生のご指導のもと、みなで歯磨きをしました。「ブクブクパッ」ではなく、お茶を含んで「ブクブクゴックン」とそのまま飲み込むのです。先生は「おいしかったお弁当が全部胃の中に入って全部栄養になりますよ」といわれます。「口腔は歯磨きによって清潔になり、細菌は増えませんよ」とも言われました。私は私の意識改革から始めなければなりません。

 余談ですが、お弁当は地域のボランティアさんに作っていただきました。何だかとてもおいしくて、地域の人と仲良くなれた嬉しさと相まって今日の昼食は格別、感謝です。

2006年12月3日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

1年ぶりにあけぼの学園職員との親の同窓会といいましょうか、有志が集まって語り合う会が行われ、20人ほどが参加しました。職員の中には名古屋市職員を定年退職し、ヘルパーや民間の介護職員をしている人も何人かおられ、みなさん若々しく活躍しておられます。中には東京からかけつけて下さった方もいらっしゃいました。その人は私の息子佳孝を覚えていて下さいました。

「お母さん、小さくなったねえ!」ということばに「あたりまえでしょう。私もう78歳ですもの」
と言い返す瞬間、目の前に40年前の風景が彷彿と浮かび上がります。

 当時、名古屋市内に重度の子どもたちが入所する施設は皆無でした。親たちの運動で、精神薄弱児入所更生施設「あけぼの学園」の中に重度棟が開所されました。当時は重度の知的障害児に対してどんなケアを行ったらよいのか資料も先例も名古屋にほとんどない状態です。そこに初めて勤務する職員は大変でした。自然、開所当時の思い出話になります。

 皆さん「あのときは辛かった」とは言いません。「あのときは面白かった。あれが原点となっていまでも知的障害の福祉関係の職員として続いている。」「あの頃が忘れられず、退職してもヘルパーやボランティアをやっている。」など、もみくちゃの笑顔と共に、ありがたい言葉が次々と湧き上がってきます。

 親の近況報告では、ご主人を亡くしたり、あるいはご病気であったり、いろいろお世話を続けていただいていた先生が突然心臓麻痺で数ヶ月前に亡くなったり、あるいは最愛の子を亡くしたりで
いろいろな出来事がそれぞれの人生にありました。

 障害者自立支援法も話題になります。今、成人の入所施設にいる人、通所を利用している人様々です。が、みなさんたいへんな変革に驚き、今の福祉のありようにいろいろな疑問をもたれていました。特に、障害程度区分の認定手続きで使用される106項目の内容には納得がいかないという意見が大半を占めていました。延々と果てしなく話は続き、お店の人に怒られそうなので、ともかくここをお開きにして二次会になりましたがそこではどんな話がでたでしょう・・・。

 私はこの方たちと知り合い、ひとつの目標に向かって励ましあうことができた人生をほんとうに感謝いたします。私は帰路につきながら、ひたすら今の名東福祉会の職員たちが今日この頃の難関を乗り越え、30年、40年後に、笑いながら思い出話をしてくれるよう祈るばかりでした。

2006年11月28日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

 11月23日、名古屋市昭和区役所講堂で行われた社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会と社会福祉法人名古屋手をつなぐ育成会が主催する「知的障害のある人の成年後見を考える」セミナーに参加いたしました。

 開催あいさつの後、講演「知的障害者の成年後見の社会基盤づくり-現状と課題-」というテーマで、全日本育成会中央委員会委員長の佐藤彰一氏(弁護士)より講演をいただきました。

○成年後見制度のねらいは何なのか
○制度の概要
○成年後見をつけると役に立つ具体的事例
○成年後見制度を利用するときに考えるべきポイント
を中心に、具体的事例をあげて説明されました。

 今まで何度も後見制度の説明を聞きましたが、今日ほどすなおにわかりやすく理解できたことはなかったと思います。

 セミナーの内容を端的に言えば、自分たちでNPOでも何でも良いから組織をつくるべきだということ。本当は親がなるべきだが、年の順でゆくと先に死ぬ。だから、信頼できる自分たちをいちばん知ってくれる人にやってほしい。ネットワークで後見人をつくるとよい。その地域地域でかかわりかたが違うから、その地で生かせるものを立ち上げるとよい。「親亡き後ではなく、親あるうちに」を何度も協調されていました。

 障害のある人の後見支援は長期間にわたります。財産管理だけではなく、生活支援もカバーする後見システムが必要となります。今こそ、若い親たちが立ち上がって作るよう努力してほしい。それが手をつなぐ育成会の使命だと思うとまで言われました。

 また、各市町村レベルで「バックアップシステム」や「コミュニティフレンド」をつくるべきだと強調されました。沢山の資料にもとづき、具体例をあげての説明の中でいずれにしても弁護士や司法書士はタダでやるわけにはいかない。報酬はきちっと払うべきだとちょっと言われました。もっともなことだと納得がいきました。午後からはシンポジウムと相談質問で、

○名古屋育成会理事長 仁木雅子氏
○愛知県弁護士会 熊田均氏
○名古屋市健康福祉局生涯福祉部長 長谷川弘之氏
○愛知県弁護士会 河内尚輝氏
○NPO法人PACガーデアンズ理事長 佐藤彰一氏

の各氏が発言、質問に答えられました。会場に参加した400人近い人々は満足して帰られたと思います。

2006年11月27日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

愛知万博開催の折、イタリアの音楽会に招待してくださった石川愛子さんが、イタリアの看護士さんとすばらしい日本のピアニストを連れて、今日、レジデンス日進に訪問してくださいました。

 四方山話のあと、デイサービスや居室をご案内したり、屋上をご案内しました。特にお風呂は日本風の木のお風呂なのでそれにいたく感動され、屋上庭園では驚いたり、四方が見渡せるので感動したり、奈々枝ガーデンではなぜか笑い転げておられました。

 デイサービスでは何人かの利用者と会話していらっしゃいました。両方ともチンプンカンプンでしたでしょうけれども、とても喜んでおられました。イタリアの人はとても日本が気に入り、ぜひ日本で働きたいと言っておられましたが、看護の仕事は日本語ができないと難しいのではと思いました。

 通訳が必要なのでアッという間に時間が過ぎて、おなごりおしくお帰りになられました。

 石川さんはバレー教室を開いておられますが、生徒たちにここを見学させたり、バレーを利用者に見てもらいたいと以前からおっしゃっています。自分のところの生徒たちに生涯を持っている人たちのことを小さいときから関心をもってもらいたい、誰しも障害を持つ可能性があるし、みんな人間として一緒なんだということを幼いうちに知ってほしいと思っていると石川さんは会うたびにおっしゃっています。

2006年11月21日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

日進市が図書館を新築するにあたり、市民から応募した検討委員の話し合いを傍聴できると聞き、私はぜひ参加したいと思い出かけました。傍聴という形でしたが日進市の行政を垣間見ることができました。

思い起こせば私は小学校1年から2年生に岐阜に住んだことがあります。東京から移って間もないころです。友達もいないので私は図書館に入り浸りました。手当たりしだい本が読めたお蔭で読書好きの子どもになりました。女学生の時代には夜遅くまで電気をつけて本を読んでいると親にしかられるので、ふとんの中に電灯を引き入れ、隠れて読書をするほど本が好きになってしまいました。大人となって本を3冊も出版できたのはその頃のおかげも少しはあったかも知れません。

それは別として、これからの日進の子どもたちの未来と高齢者のためにぜひ夢のある新図書館を建ててほしいと思いました。ゆったりとしたすばらしい設計はもうできているのですが、これから建設業者が決まり、新築のあかつきは運営する指定業者を決めなければなりません。

委員会の中では日進市が直営するほうが何かとゆとりのある運営がなされてゆくのではないかという意見が強かったように思います。それでも民間委託のよさもあるという意見も出て、結論はまだまだといったところでした。

委員会の意見では出ていませんでしたが、全国的には民間の業者に委託すると逆にサービスの質が下がるという不安があるそうです。民間委託すると個人のプライバシーが守られないかもしれないという不安があるという意見、福祉や教育だけではなく図書館の運営も民間に任せて大丈夫なのかという意見もあるそうです。民間の福祉を40年やってきた人間としてはなんだかおかしな議論だなあと思いました。

それはさておき、図書館は市民の宝島。日進市から立派な子どもたちがすくすく育つためにはみんなが行きたくなるような図書館がほしいものです。市民のひとりとしてこれまでこの問題に深く関心を持ってこなかったことを反省しました。

2006年11月13日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

いつも山口さん、藤本さんは屋上ガーデンの整備をせっせとやっていただき、聞くたびにどこかが変わっています。

今日は足助から買ってきたという自然木のテーブルと椅子が置かれて、風情は抜群。この椅子に腰掛けて四方を見渡していると、日進中が我が手の中の感じがしてきます。一度屋上へ上がってみて下さい。晴れた日はとにかくすばらしいです。

私はたった2株、ラズベリーを植えておいたのですが、ひっそりと赤い実がぶらさがっています。手を真っ赤にしながら実を摘み取り、家へ帰ってジャムをつくりました。

例によってむちゃくちゃな作り方。ビンの底に残っていたお砂糖をぶち込み、はちみつの残りもぶち込み、出来立ては熱くて食べられないので翌朝、利用者が働いているパン工房のパンにつけて食べたら、なんと美味しいこと!世界中のラズベリージャムも追いつかないすばらしい味でした。
いやいや、利用者が作ったパンがおいしかったのかな?どちらとも言えませんが、屋上のラズベリー、独り占めにしてごめんなさい。
実は私の片手に入るくらいのラズベリーの量だったので、皆様にお分けすることができなかったのです。来年をお楽しみに。

2006年11月6日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

愛知県体育館で始まっている「ふるさと農林水産フェア・秋と緑の収穫祭」に行ってきました。11月3日から5日までの開催です。会場は人で人で、歩くことさえ至難の業です。

愛知県下から野菜、果物を始めとして、土地の特産物が出店されています。じっくり見たら、愛知の特産が早分かりするのではないかと思いましたが、なにせ歩くのもままなりません。

ようやくたどり着いたのが食育ステーション。みなさん三つ葉のジュースやおからクッキーに気をとられ、試食コーナーは押すな押すなの盛況です。
その中で、「おふくろ栽培」という水耕栽培の農業と健康食品のコーナーがあります。「おふくろ栽培」とは、「おふくろさん」という袋の中に入れた有機肥料がたっぷり入った土と、水耕栽培を組み合わせた独自の水耕栽培です。水受け部分には素焼きの陶器を使います。実はこの水受け皿を新案製作したのが当名東福祉会の三上陶芸部長です。これからの名東福祉会の就労部門を担う陶芸部。将来が非常に楽しみです。

私はビニールハウスの中でとれた野菜なんて・・・と実は思っていたのですが、害虫は薬ではなく、丁寧に手で捕り、いつも根気よく、手を掛け目を掛けるのがこれからの農業のあり方であることを実感しました。故郷、愛知の良さを若い人たちが本気で取り組もうとしているのを肌で感じることができます。このほか、木製品、草木染コーナー、布ぞうりづくりも沢山の人だかりです。ジャンボ五平餅、たこやき、ジャンボ焼肉は長蛇の列でした。

こうした地道な活動を名東福祉会が行っていることを会員の皆様にも是非知っていただきたいと思います。

2006年11月4日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

10月25日に豊明市心身障害者(児)福祉団体連合会の主催で豊明市文化会館ホールにて「落語と講演の会」があり、豊明手をつなぐ育成会からご招待がありました。

「兄貴は楽しい?ダウン症」というテーマで、落語家「露の団六」の舞台が始まりました。落語は高座を設け座布団を敷いて着物姿で、講演は着物姿ですが演台で立って講演という趣向でした。

神戸大学教育学部在学中に落語を聴いて感動し、弟子入り。以後、落語のほかラジオ番組やニュースキャスター、大学の講師としても活躍、インテリの噺家です。

話を聞いていて、我が息子たちと共通点が多々あり、どうも心底から笑えません。話の奥にある苦労を私は感じてしまいます。私の長男は左半身マヒ、最重度の知的障害で、ダウン症の方たちの明るさは持っていません。明るいノリオさんの話ばかりで母親のことはあまり聞きませんでしたが、その時、母親はきっと・・・と私は思えてしまいます。

私の次男は小学校5年生の時、私が授業参観に行くと座布団の上で落語をやっていて、私は大いに驚きました。また、同じように教育学部出身ですが、今はコンピュータの会社と当名東福祉会の理事長を兼務し、経営の難しさを実感しています。

大人になってからの立場は全く違いますが、兄弟に障害者がいると、子どものころ味わった様々なことが考え方の根底にあると私は思うのです。好むと好まざるとに関わりなく、生まれる前から兄弟の存在は運命づけられ、何があっても、そういうもんやと割り切って生きて来ざるを得なかった。そしてこれからも。

さて、「あほやけど、ノリオ」という著書。ダウン症のアニキを持って~を早速読んでみましょう。

※読み終わったら本棚においておきますから見てください。

2006年10月29日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

レジデンス日進は開所からもうじき3年を経過します。
3年たって、利用者をあたたかく包んできた桐でできた廊下や、手作りの木の椅子はいろいろなところに傷がつきました。

利用者がパニックを起こすからと言い切ってしまえばそれまでですが、これまで職員たちは「問題行動」が起きないような工夫をいろいろとしてきました。
どんなささいなことでもできるだけ「ヒヤリハット」で報告しあい、利用者が他の利用者をつきとばしたりすると、事故報告を詳細に記録しあってきました。職員たちは反省しあい、少しでもよい状態にすべく、気持ちをひとつにしてがんばってきました。

建物が良ければよいほど、いろいろ気を使わなければなりません。立派な日本家屋ほど見えないところで大変です。

レジデンス日進には毎日見学者の方がいらっしゃいます。みなさんは桐の廊下、桐の壁、珪藻土などに驚かれます。
ほとんどの人が掃除はどなたがやっているのですか?と聞かれます。掃除機は? ガラスふきは? 雑巾がけは・・・
毎日のように掃除に来て下さる後藤さんとボランティアさんや、屋上の花の手入れをしてくれるお母さんたち、月1回の掃除に来て下さる若いお母さんたち。家族会や家族会役員の跡に掃除をしていってくださる家族会の人々。みんな善意で利用者さんたちの生活は成り立っているのですよと話してきました。
そうしたら、何と、月一度でもよければ掃除をやらせて下さいと一般の方からボランティアの申し込みがありました。私はとても嬉しいです。

そして思い出しました。
「人が建物を創る。完成した後は建物が人を創る」チャーチル。
「上質なおもてなしとは最高の施設・料理・サービス」ホテルオークラのベストACS。さぽーとNo595より。

2006年10月25日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

10月21日の土曜日。いつも名都美術館の入場券をいただきますが、今月は私の好きな堀文子先生の展示なので私は喜んで行って参りました。

なんて美しい絵なんだろう。本物の良さを捕らえ、真実が迫ってきて「絵よりも綺麗な絵」という奇妙なことばが頭をよぎりました。進むうち、画文集「時の刻印」より抜粋されたことばが目にとまりました。

「人は決して人だけから学びはしない。樹や草やつきや嵐からの教えで私たちは大人になるのだ。山に住み、草木と呼吸を合わせながら日々を送っていると万物流転のさだめが素直に我が身にしみるのである。生きるものはやがて死に、会うものは別れ、財宝も名判も仮の世のひと時の驕(おご)りであることが否応なく見えてくる今日この頃である。自分などもともとなかったのだ、心さえも妄想だ、捨てることだとしきりに思う年に私もなった。」とありました。

堀文子先生 ことし 88歳。私78歳。

あくる日、日曜日は愛知県豊田市の通所更生施設「観寿々園」が主催する観寿々(みすず)祭に行ってまいりました。友人二人を私の車に乗せ、制限速度を守ってグリーンロードをひた走り、予定より早く着きました。

17年続いた観寿々祭を本年で終わりとするとのことです。

時間前なのに、保育園児やギターや太鼓などのメンバーたちが練習していて、とてもにぎやかでした。観寿々園や夢やの手作り品も沢山並べられ、いつも人気の寄贈品もたくさん並んでいました。保護者たちも熱心に販売に力を入れていて、今年でやめるには惜しい気がしました。

施設運営は今後、ますます厳しく、経営者にとっては身が細る気がしますが、通所する人たちの笑顔、親たちの協力がこの難関を乗り越えると確信します。
来年は「夢やまつり」がデビューするかな?そんな期待を胸に描きつつ、次の予定があるので早々と失礼しました。

その後、日進手をつなぐ育成会「陶芸教室」に行って参りました。香具山福祉会館、工作質、木工や陶芸やその他何でも出来る工房でカマも釉薬もその他陶芸に必要な道具一式があります。部屋、その他一式、無料です。

この日は参加者がやや少なく、4名の本人、3名の母親、1名の友人と私。陶芸の先生は男性で、懇切丁寧に教えてくださいます。

私は時間の都合上、時間途中で失礼しましたが、日進市はいいなあ、これだけの会場と設備を無料で貸してもらえるのだもの。企画をきっちりすれば大したものになるなあと感じ入って帰りました。

私はメイトウ・ワークスを解説するに当たり、授産科目を何にしようかとあれこれ自分で体験してみて、陶芸を取り入れようと思い立ち、当時あった愛知県青少年公園の中にあった陶芸教室に通いました。そこも公立なので粘土は1kg500円。教授料、焼成料、その他かかりませんでした。私はいつも小物専門で人形や花瓶、小皿などをいくつも作って、「これならいける!」と勝手に思いました。今の理事長も別の工房に通い、以来30年、陶芸は続いています。

2006年10月23日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

今日10月18日はレジデンス日進が主催する秋祭り。
午前中から用意を始め、テーブルをセッティングする人、ご飯を炊く人、秋祭りらしく秋の花を生ける人、雰囲気作りでポスターを書く人いろいろです。利用者もボランティアも職員もいっしょになって準備しました。

あっという間に出来上がったところで、施設の近所にあるチェコ料理の店「メイグリーン」からカレーやほたてのフライ、ソーセージなどが到着しました。
みんなできれいにお皿に盛り付け、サラダや福神漬けのラッキョの添え物までつけて美味しそうなランチセットができました。

昼食の後はデイサービスルームでビン倒しや輪投げなどの秋祭りの夜店に出るようなゲームで楽しみました。輪投げに入るとお菓子がたくさんもらえます。
その後、リズムに乗って体を動かし、疲れたところでお抹茶と和菓子が出ました。私はお抹茶の味を利用者にひとりひとり聞いてみました。
「飲むの初めてだけどおいしかったあ」
「おいしい」
などの声が圧倒的。あとは「にがい・・・」の一言や聞いても知らんプリの人たちでした。

その後みなさん各ユニットに帰ってくつろぎました。

レジデンス日進には少ないですけれど働くことが大好きな利用者がいます。
「今日はどうだった?」
と聞くと
「今、仕事がたくさん入っているので今日やれなかった分、明日がんばるよ」
と言ってくれました。こんなこと言ってくれる人はそんなにいませんが、何だかジーンときてしまいました。

長い間こういう仕事をしていて、いろいろな思いをします。悲しいことや心配することが多い中でたまに本人からジーンとすることばをもらうと、ああ、この仕事について良かったなと心底思えるのです。まだまだ修行が足りないので利用者さんにいろいろなことが起こりますが、利用者さんの笑顔が何よりも私を励まします。

2006年10月18日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

10月16日、愛知県手をつなぐ親の会津島支部の方々(16名)がレジデンス日進を見学においでになりました。

午前中はあゆみ園を見学され、午後からお見えになったのですが、お子様が小規模作業所に通所されている方が多い関係上、お迎えの時間があり、駆け足での見学となりました。

まず床がすべて桐であること、壁が珪藻土であること、テーブルや椅子が全部木製であることなどに驚かれ、全室が個室になっていることや、トイレ、お風呂に驚かれ、「いいな、いいな」の声がたくさん聞かれました。

屋上では家族会の丹精でバラやハーブの花が咲いているのを見て、「いいなあ」とためいきをつかれておられました。エレベーターでは全員入っても余裕があるので、嬉しそうに騒いでおられました。

デイサービスの見学を終え、質問も感想もお聞きすることができませんでしたが、ひとりのお母さんが「ぜひ、うちの子を入れてほしいがどうしたらよいでしょうか」と聞かれましたが、「ここへ来るまでには随分と時間がかかると思いますよ。できるだけ近くの施設と連絡を密にし、いざという時のために、普段から地域の施設に協力をし、いざというときのために備えておくとよいですよ。」と言って差し上げました。

老後の時を考えて子供のために少しでも早く安心できる生活を・・・という気持ちはよくわかるのですが、自分が年をとったら歩けなることを考えてほしいと思うのです。なかなか遠くの施設には行けなくなります。親も子供も元気な今は、何とか地域で自立した生活ができるようにすることを考え、何でもやらせてみてほしいと思います。母親がいなくても自分のことくらいは自分でやれるようになってほしいと願います。時間がなくて十分お話ができなかったことを残念に思いました。

2006年10月17日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

岩手県小岩井牧場の隣地に住む友人からので電話でご長男(43歳くらい)が亡くなったとのお知らせがあった。
どんなに驚き、どんなに悲しく思ったことか、お聞きする私も胸がいっぱいになる。

でも電話の声は淡々としていて、自閉というハンディをもった子供を授かったお蔭で、いろいろな人と出会い、いろいろな事を学ばせてもらったと感謝しているとのことばが続く。

私との出会いは、以前、彼女が横浜市に住んでいるときに彼女がグループホームを運営しているのを知り、私が訪問したことから始まる。
絵が描けて、音楽指導ができて、グループホームまで運営している主婦に一度会ってみたいと思い、訪ねたのがきっかけだ。
以来、名古屋にも来ていただいたり、雫石に移ってからも二度も私はおじゃましたりしている。
彼女が発行する会報は手書きの字や絵で埋め尽くされ、音楽だよりもとてもロマンを感じるものだ。私はいつも尊敬と羨望を持って会報を何度も読み返した。私のほうが年上だが、彼女と知り合えたことを深く感謝している。

彼女のご長男が突然亡くなられたことはどんな言葉をもってもおなぐさめできないのでは・・・と思うが、きっと立ち直ってまたいつものように、花の絵を描き、音楽をもって大勢の人の心を癒してくれるのではと期待している。雫石の八角形の音楽ホールがまた私においでおいでと言っているような気がする。

2006年10月15日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

手をつなぐ育成会の東海北陸大会に出席させていただいたので、一言なりともこの地の育成会の会員さんにも報告して時の動きを知っていただきたいと思い、日進市の手をつなぐ育成会の定例会に出席させていただきました。当日は15名の出席で、会長の報告や私の報告の後、それぞれが思っていることを発言しました。

日進市の育成会の会員のお子さんたちは大方の方が通所施設を利用している方で、ごく一部の方が一般の企業に就労している方です。話は今回の区分判定の話になりました。大部分の人が判定が軽すぎるということで今後の対応方法がどうなるのか、質問というよりも不安な気持ちを訴えておられました。

会員のみなさんのお子さんに自閉や知的障害があることは間違いありません。これまでも医師や相談所にそのように診断されてきました。学校も特別支援教育を受け、社会福祉のサービスも受けてきました。それが、一夜明けたら障害者ではないといわれたのです。本人が変わったわけではありません。不安な気持ちになるのは当然です。

障害があるこどもの子育てを懸命に行い、卒業した後まで学校の先生に応援を受け、作業所の職員やご近所様や働いている就労先の雇用主さんの理解と協力でなんとか今をつないでいるのです。その支援の輪があってはじめて「障害が軽減されている」のです。ハンディがなくなったわけではありません。

がんばってきた人が区分判定から一夜明けて障害者でなくなり、様々なサービス利用に制限が設けられてしまう。逆に、こどもをほったらかしにし、問題を助長するような対応を重ね、ますます孤立と問題を深めるような育て方をするとたくさんのサービスが受けられる。そんな理不尽なことがあっていいのでしょうか。

国は判定が不服な場合には不服申し立てをしてくださいといいます。でも、窓口に「なんとかなりませんか」と不服を述べても、頑として受け付けない姿勢だといいます。日進市の育成会ではすべての会員から同じような発言があるので、早急にまとめて市へ申し入れようということになりました。

2006年10月11日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

手をつなぐ育成会東海北陸大会が10月8日(日)、9日(月)に掛川市つま恋に於いて行われました。1500名ほどの人々が集まり大会を盛り上げました。大会のスローガンは「誰もが共に生き、育ちあい、支えあう地域づくり」です。

障害者自立支援法がこの10月1日から施行され、利用者負担の問題、障害者区分認定の問題が利用者側に十分理解されないまま進められているところなので、参加者の皆さんは一言も聞き漏らさないぞという真剣なまなざしでどの分科会場も熱気にあふれていました。

私は第5分科会「地域生活支援のあり方とセイフティーネットを考える」に参加しました。内容としては小松市育成会が法人化して新たに居宅支援事業を立ち上げたこと。通所支援や居宅支援事業をすすめるなかで、ヘルパー派遣で自宅で一人暮らしが可能になった52歳の男性の実例が紹介されました。その事例から自立支援法下での問題点や課題が浮き彫りにされました。

提言を聞いていて切実に思ったことは、どうしたら地域で生活を継続できるかということ。親や兄弟だけのがんばりでは限界があるので、地域での「支え」をつくらなければならない。それぞれの市町村で福祉のネットワークをつくる「市町村の福祉計画」こそ重要だと思いました。親はどうしても親亡き後のことを心配し、心を残しながら死んでいくものなのですが、わが子のことだけではなく少しでも地域の人々の支えの輪を広げていくように努める必要があると思います。今回の大会に参加できたことを心から感謝し、老いの身ながらがんばろうと思いました。

2006年10月10日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

またひとりメイトウ福祉会のお父さんが亡くなりました。
大変な自閉症のお子さんをずっと看てこられてどんなにか心残りであったろうと、お察し申し上げ、ただただご冥福を祈るのみです。お子さんはレジデンス日進でショートステイ中ですから、職員がお通夜に連れて行くものと思います。

お父さん、お母さんがお子さんより早く亡くなるのは当然ですが、いつも「我が子を見送ってからあの世に行きたい」という親の気持ちとは裏腹に、年の順で逝くのが常です。

だからこそ、私たち親はせめて親亡き後、そんなに手数のかからないように、ひとりで衣服の着脱くらいは自分でやれるように、大小便はひとりでやれるように、最低の身じまいができるように等々、なんとか教えたいと気遣うのですが、むなしい願いとなることもあります。

ですが・・・親さんたち!! この先、暗いことばかり想像していてはいけません。明るいことを考え、希望を持ちましょう。1000分の1、万分の1でも明るいことを念願していると、神様はきっと願いをかなえてくれますよ。

2006年10月5日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

心配していた雨も止んですっきりとした秋晴れの日、私は久しぶりにメイトウワークスの家族会に誘われて半田市の酒倉と酢の里の見学会に同行させていただきました。

始めは「エッ?福祉と関係ない」・・・と思いましたが、お母さんたちとご一緒できることがいいことだと割り切って出かけました。多少あなどりぎみだった酒倉も酢の里も結構見ごたえがありましたし、半田市の町並みも昔を忍ばせて立派な屋敷があちこちに残っていました。時間の関係上、新美南吉の生家ごんぎつねの里には寄れませんでしたが、その近くの「まんじゅさげ百万本」は見ごたえがありました。

日本の昔の文化に触れ、どうして今日の日本があるのか、途中、戦争があって日本はどうなったかということが思い出されました。

帰りのバスの中では、メイトウワークスを立ち上げたころの事を思い出しました。数名のお母さんたちとともに、かやふきんづくりに一生懸命になったこと、小さな陶芸釜でウサギやネコやライオンのはしおきを作ったことなどが思い出されました。ささやかでしたが、どんなに障害が重くても楽しく通って働ける場をつくるという共通の目標があり、ほんとうに楽しい日々でした。今から28年ほど前のことです。

温故知新ではないけれど、とても有意義な時間を過ごすことができ、メイトウワークス家族会に誘っていただいたことを感謝いたしました。

2006年10月4日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

10月1日はとうとう雨になってしまい、みんなの待ちわびたコロニー祭は残念ながら途中で中止状態でした。

何か催し物をする時は、お天気のことが気になります。晴れのときはスケジュールの進行、雨の時は会場の変更やお客様へのご案内と担当のスタッフは気をもむものです。当日は雨がパラつく中をパレードから始まりましたが途中でやむなく中止。後は売店、展示物、フリーマーケット等々、傘をさしながらみんなでゾロゾロと歩き、楽しみました。

広いコロニーの中を親子連れで歩くことは、晴れていたらどんなに楽しかったことでしょう。歩けない親子連れもあり、来年はどうなるのかなあと心に残りました。

今月の中ごろに、コロニー再編計画の説明会があるとのこと。障害者自立支援法の実施はいやおうなく今日10月1日から始まりました。障害者施設の変革が身近なところで起こってくるわけですが、3年後の見直しにむけて不備な点を見出し、しっかり意見を言えるようにしたいものです。

本人が困らないように地域の中で生きていくにはどんな支援が必要か・・・・、私たち親兄弟が本人に代わって勉強し、その行く末を見極めていきたいものです。

2006年10月2日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

9月28日に愛知県長久手町「森のホール」で第5回ウェルフェアフロールコンサートが行われました。広いホール3階まで満員の盛況で、本当によかったと思います。

 私たち名東福祉会の利用者さんも20名ほど参加させていただき、歌手と握手をしたり、拍手をしたり、たいへん喜んでいました。ありがとうございました。

 社会福祉法人御寿々会のみすず園の利用者さんたちは歓声をあげたり、踊りだしたりとても雰囲気を盛り上げてくださり、歌手たちも喜んでいました。

 この日は天白ワークスに静岡、川根作業所のご利用者の家族と職員さん16名様の見学がありまして、ごあいさつをした後フロール会に駆けつけました。

 私の風邪がまだなおらなくて、何かと消極的になってしまいましたが、ご協力くださった方々、ほんとうにありがとうございました。

2006年9月29日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

風邪をこじらせてちっともよくなりません。暑いのか寒いのかすらわからず、咳ばかりがでます。

久しぶりに昔の母親仲間がレジデンス日進に尋ねてきてくれました。
「私たちは明日もわからない。自分のこどもを残してあの世へ行く。せめてここへきて楽しく暮らすのだというケアホームをこの眼で見たい。それから死んでいきたい。」
私たちが寄って話をすると、どうしてもこどもの将来のことになってしまいます。
今は美味しいものを食べたいとか、どこへ旅行を行きたいとか、いい服を着たいとかそういう望みは年とともになくなってしまいました。
「そうねえ。ケアホームがあれば安心できるわねえ。」と私。
「親なき後、年金が入ってくるのでそれでケアホームの生活費は払ってゆけると思うけど、今ある貯金は誰に預けたらいい? 加藤さんに預けるからこどものために使うって一筆書いてちょうだいよ。」
顔は笑っているが真剣だ。
「私は他の人に比べると、一番最初にあの世に行く身。そんな証文何の役にも立ちませんよ。」

「ケアホームはいつできるの?」
「障害者自立支援法で今は施設をやってけるかどうかの瀬戸際。もうてんやわんや。でも、だんだん落ち着いてきて今、ケアホームの準備に入っているから、もうちょっと待ってね。」
なんだか寂しい話を繰り返すばかりでした。

それより、いつまでも若く健康で暮らすことを心がけましょうといったら、
「親ひとり子一人がいっしょに楽しく暮らせるホームを作ってください。」といいます。
考えましょう。集まって、生きがいが出てきて、ちょっぴり世のため人のためになって楽しい毎日が送れるように。
今度、レジデンス日進に来られる日まで、きっと見つけますよとお約束しました。

2006年9月28日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

東京都町田市にある白峰福祉会(理事長手塚直樹氏)の施設へサンフレンドの会の例会をかねて、見学に行ってきました。

前日は風邪をひいて、せきは出るし、熱は夜は38度5分まであがるし、明日はあきらめたほうがいいなと思いつつ寝ました。
翌朝、熱は37度2分まで下がっていましたので、途中どうしても体がもたなければ帰ればいいと勇気を出して出発しました。

最初は通所授産所「町田かたつむりの家」へ見学に行きました。
開所以来13年ですが、3階建てのごくこじんまりとした明るい施設です。

仕事は36ビスタイの組立作業と、かやふきんづくりです。
「はいできました」とか「ビニールください」とか、グループ別に声を掛け合って、役割分担しています。
かやふきんはミシンに部品をとりつけて、誰でも安全にふきんがつくれるよう様工夫してあり、出来高は伝票をつけて報告することになっています。
ビスタイは重度の人、ミシンは中度の人が行っている感じがしました。電動ミシンは改良後、1台50万円もしたそうです。

次に町田生活実習所へおじゃましました。
こちらは平成18年4月1日から東京都より経営移譲を受けた施設です。建物は古いのですが、広いし、小さいながらプールまであるし、送り迎えは車(5台)でドアToドアだそうです。

どちらの施設も今年は職員の新人が多く、公営のときと比べるとなかなか馴染んではもらえないのではないかと心配したけれど、今は10年の知己のように親しんでいるとのこと。その蔭には職員のきめ細かい配慮が行き届いているのがわかりました。

どんなに重度でもゴロりんとひとり寝転んでいる様は見られません。音楽入りジャンプ、ストレッチ体操、買い物練習などいたるところに創意工夫が見られました。小さいながら畑もあり、収穫物は給食に出したり、ボランティアにお配りしたりしているとのことです。

一番驚いたのは町田市から業務委託を受けて「町田えびね苑」を運営していること。
期間は4月22日から5月7日までと短いのですが、山野草の花が咲くときだけ。でも期間中7000名の入場者があったこと、お弁当、だんご、ジュース等の販売、苑内清掃等をやっているうちに入場者の皆さんが「こんにちは」「がんばってね」と声をかけられ、とても嬉しかったとのこと。
どこにでも仕事はあるなあと嬉しく思いました。

余談

見学の後、すてきな「うかい亭」に案内していただき、食事をしました。
すてきな日本庭園、どっしりとした調度品、ステンドグラスを主流とするたたずまい・・・
ステーキもおいしかったけれど、豪華な雰囲気に圧倒されました。

2006年9月27日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

彼岸花はいつもある日突然に目の中に真っ赤な花が飛び込んでくるので驚かされます。
今年もそろそろ咲くころだなあと思って愛知県コロニーへ行く道、たんぼのあぜを見ました。
咲いていた、咲いていた。
今年もようこそと嬉しく思いました。

彼岸花は気温が20度になると一斉に咲くものと聞いていました。
去年植えておいた上ノ山の「名東福祉会農園」の片隅の花はどうかなと覗きに行きました。
隣地との境のフェンス沿いに、球根を植えたはずなのに見えません。
アレッ!? ない!!

枯れ草がいっぱいなのでそっととって見たら花芽がチラッと見えました。
愛知県コロニーがある春日井市より、3度は気温が高い当地。むべなるかな・・・。
明日はきっとお目にかかれるぞ・・・と嬉しく思いました。

ついでにミョウガも農園に植えておいたので見に行きました。
ミョウガの子が出ていました。私はひとり歓声を上げ、掘り起こして10個は採れました。
市販のものと少しも変わらない大きさ、この喜び。
この収穫の喜びをみんなに味あわしてあげたかったと思いました。ひとりでごめんね。

次にレジデンス日進の屋上へ行ってみました。
この屋上はボランティアのみなさんできれいに世話されています。
かわいいお地蔵さんが赤いよだれかけをかけてよけいかわいいお地蔵さんになっていまいた。
トマトもなすも1本ずつあったのですがもう終わっていて、今はバラの花が様々な色で屋上は華やかでした。

障害者自立支援法は障害者にとってお金のかかる法律ですが、せめて心を癒し、前向きに働いてお金の入る方法を考えましょうよ。
同志集まれ!と叫びたいです。

2006年9月26日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

日進市内のNPO法人「あいあいの家」へ見学・・・というよりもちょっと寄らせていただいただけですが、驚きました。

協力会員、賛助会員によって利用会員を支えるシステムで、お年寄りも障害児も誰でも楽しい一日を過ごしていただくことを目的とする地域の中の地域の家がありました。利用料金は1時間1000円。昼食代は別途700円。協力会員の会費は年会費5000円で協力会員が相互に支えあうシステムです。

卓郎、託児、学童一時預かり、ふれあい食事、会合のための貸室、悩みごと相談、成年後見制度連携支援、訪問ヘルプ、その他のメニューが行われています。

ここは南向きの大きな住宅を大改造してできたそうです。畳の和室を1室だけ残して後は全部床張りにして車椅子でも簡単に移動できるようにしてあります。

長いすには相当高齢のおじいさんが気持ちよさそうに居眠りをしていました。先ほど、昼食をとって、今お風呂の順番待ちですが、つい気持ちよくていねむりしてしまったのでしょう。体操、お習字、カラオケなどいろいろなプログラムがあります。

ボランティアさんとゆったり過ごせる家、そしてまわりはのんびりとした田んぼや畑があり、美しい花の咲く庭もあります。諸々の憂さを忘れてゆったりすごすことができるでしょう。

昔、私は障害児を抱えて困っている人を見ると、何とか助けたい一心で、そのお子さんを自宅へ連れてきて息子や娘に世話をするように押し付けて私は用事に出かけたこともありました。思えば何たる親だったかと反省することしきりですが、今の時代はこうしたシステムができてきて、本当に幸せですね。

日進市にはあちこちにこういったボランティアさんたちの集まりで活動を行っているスペースがあるということです。レジデンス日進ももっと地域で要望されているところに目をつけて専門性を発揮し、地域に役立つ施設となりたいと思います。

2006年9月25日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

午前中、何の前ぶれもなく、レジデンスの利用者が日ごろお世話になっている歯科の先生が利用者さんの写真を持ってご訪問くださいました。
レジデンスの中をご案内したのち、お部屋で諸々の話をしました。
まず歯磨きのこと、とっても興味深く引きずり込まれるような感じで自分の歯磨き態度を大いに反省しました。
先生は私よりも6歳年上の84歳とは思えない若々しさです。どうしてそんなに若いのかをお聞きしたら、歯磨き以外にもいろいろと若さを保つ方法について教えていただくことができました。
今も車を運転していること、パソコンなど何でも、興味を持っていること、ゴルフもやっておられるとのこと。
その他の健康の秘訣は・・・先生より直にお聞きしてください。お話を聞けば歯の大切さがわかります。健康が保障されること請け合いです。
これは職員さんも親さんたちにもぜひ聞いていただきたいと痛切に思いました。
午後は少し用があってあゆみ園へ行きました。田んぼの中の風が吹き渡る静かな施設です。
あゆみ園が運営しているコーヒーショップのカウンターに利用者がひとりいました。にこやかに私を出迎えてくれました。
お客さんは顔見知りの人が3人、コーヒーを飲んでいました。日進市の図書館が建てば、そこへ来る人がこちらにも寄られて、お客さんになるでしょう。
先が楽しみねとみなさんと話しました。
そうなったら、名東福祉会の製品もどこかへ置かしていただきたいな。軽井沢や白馬でみつけるようなしゃれた小物をつくってお店を飾りたいなと思いましたが、製品をつくるのはなかなかたいへんですし、まだできていませんから、まだ頼むことはできません。
日進市の障害者の施設が協力し合ってすべての障害を持った人たちが明るく楽しく地域で暮らせるように、障害者自立支援法が誰にとってもよい法律になってゆくように、願わずにはおれません。

2006年9月22日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

香具山福祉会館に遊びに来ないかと急に言われて、急ぎ行ってみました。
今日は高齢者向き昼食会の日でした。私も今年78歳。年齢的にはぴったりの昼食会です。
300円で赤飯、とうがんの汁物、にんじん、魚、きんぴら、きゅうりの酢の物、ひじき、その上、黒豆のゼラチンがデザートについていました。
みんなとてもおいしく、やわらかで、子じゃれたお料理でした。
お料理をおいしくいただくと、テーブルごとに話が始まりました。名前、年齢、どこに住んでいるか、毎日何をやっているかを話しました。
参加者は香具山福祉会館がある地域の岩崎岩根、石兼、香具山の人たち。
私よりもちょっと若い70歳前後のひとたちで、みなさんたいへんお元気です。
この後、みなさんはパソコン教室に行くそうです。週に一回だけどこの日がとても楽しみだそうです。インターネットで知り合った人と話し合ったりすることが面白いとおっしゃっていました。中にはコンピュータで株取引をやっている人もありました。高齢者がこんなにコンピュータを使っていることはほんとうに驚きでした。私などは、職員のみなさんがすべて用意してくれていているので、そのあたりの事情はさっぱりわかりませんでした。
名東福祉会ではこれからケアホームなどのナイトケア施設を増やしていく計画になっています。
夜間ケアの建物は昼間は空いているので、昼間の時間を利用して高齢者が集える一室があるとこんな光景が実現するのではないでしょうか。
理事長は将来、もう一度自前調理を復帰したいという方針を打ち出しています。
一足飛びには行かないでしょうけれども、うちの利用者さんが野菜を洗ったり、お皿を運んだり、みんなと話をしてニコニコ笑っている様子が目に浮かびます。私の最後の夢ですね。

2006年9月21日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

レジデンス日進を建てるとくに、いろいろと中傷や悪意に満ちたことばを浴びたことがありました。おるときは奮い立ち、あるときはもうからだが動けなくなるくらい落ち込んだときもありました。地域の人たち一戸一戸をまわりひざを詰めてこの施設の必要性を訴えました。延々数時間も玄関先で怒鳴られたりしました。

道路の建設計画をめぐって施設の建設用地がなくなるかもしれないというような危機もありました。入所施設ができることによって、職員もたいへん動揺しました。あのころは、私の一生で一番の難関だったと思います。

でも、それれらは誠心誠意取り組む事と、大勢の励ましがありましたので乗り切ることができたのです。おかげさまで立派な施設が建ち、レジデンス日進は少しずつ地域の中に溶け込もうとしています。
そんな中で、このたびの障害者自立支援法の竜巻が襲ったわけですが、それでも名東福祉会にとって
は少し突風が吹いた程度でこれから静まってゆくような気がします。
「障害者自立支援法だなんて関係ないよ」と言っているかに見える利用者さんたちの顔をみているとやっぱりレジデンス日進を授かってよかったなあと感謝の気持ちがわいてきます。
さあ、「働く名東福祉会」を構想しましょう。
今朝は台風去って、真っ青な空が見えます。からだを動かすことは長生きの秘訣、若さの秘訣だそうです。

2006年9月20日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

9月14日は名東f区司会の家族会合同役員会がありました。
各施設家族会の動向が報告された後、フリートーキングで理事長に質問したり意見をいったりして、大変前向きな合同役員会でした。

 理事長から障害者自立支援法が部分的に訂正があり、ひとまず福祉会の倒産という危機は回避されそうであることが報告されました。改定の内容としては一定の範囲で定員をオーバーして利用すること、夜間のケアの単価がやや緩和されたことなどです。

 ですが、まだまだこの法律のもとでは施設経営が大変苦しく、ご家族のご協力がなければやっていけません。この法律にあわせ今後のパン工場の運営方法、陶芸部門の充実や木工所のあり方など検討しなければならない課題が山積しています。なかでも、火急の課題となっているレジデンス日進のショートステイの充実やケアホームを開設すること、児童療育センターをつくってこどもの療育に心血をそそぐことなど難しい課題が目白押しです。

 内容をよくよく吟味するとともに、理事長はじめ職員と家族会が十分話し合い、解決の道を探っていくことが大切です。

 こどもたちがよい暮らしができることこそ、親たちの願いであり、そのためには施設がよりよく運営されることが必要です。親さんたちも、ひよこづくりやそのほか、いろいろと協力していきましょうという気持ちを口々に表しておられました。親さんの気持ちや職員の気持ちがひとつにして、一日も早くこうした願いが実現することを願うばかりです。

 一日が終わり、屋上ガーデンに行ってみました。
 バラが咲き、ハーブが咲き、秋の七草ガーデンには萩の花が紅白で咲き乱れていました。

 秋の夕暮れの、すがすがしい風にのってゆったり流れる雲が、一日の疲れを癒してくれました。この景色も花も草も、みんなの名東福祉会です。

2006年9月17日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝

NPOフロール会の理事会に出席しました。

 第8回フロール展の報告と、第9回のフロール展企画会議です。
その他として、フロール美術館の活動報告と、今後の活動についてほかでした。

 現在までの活動の中に、愛知県蒲郡市の蒲郡中学校からフロール美術館へ見学の申し込みがあったとのこと。自分たちも美術を勉強しているが、障害がある人たちはどんな絵を描いているのかをインターネットで検索したらフロール会がヒットしたので実際に見学に来たということです。やっぱり世の中変わってきているんですね。

 地域で実際に活動していることが積もり積もって障害者を理解することにつながっていくんだなあと報告を聞きながらとても嬉しく思いました。

 フロール会のこれからの事業として、知的障害者の「第1回しんか展」が10月10日(火)~13日(金)まで、フロール美術館であります。

 また、11月18日(水)午後1時より、長久手町文化の家「風のホール」で天野鎮雄(アマチン)さんの講演があります。演題は「私が大切にしていること」。

 昨今はNPO法人、社会福祉法人といろいろ組織はありますが、障害者の幸せを実現するためにやっているという目標は同じです。それぞれの組織が単独でかたまり、自分たちだけの幸せを考えていても幸せになれません。地域社会のなかでひとりひとり自分たち自身がしあわせになり、お互いが大切にされ、つながっていくことがたいせつなんだと思うのですが・・・。

2006年9月13日 | カテゴリー : ななえ日記 | 投稿者 : 加藤 奈々枝